5月19日(金)
2017年5月19日(金)参議院議長が挨拶。右の列には安倍総理。2017年5月19日(金)参議院でのツーショットは初めてです。
 参議院議員食堂にて参議院開設70周年記念祝賀会が開催されました。一度でも参議院に議席があった人は招待されているので、現職の参議院議員はもちろん、衆議院議員に鞍替えした人から引退した議員まで集まっていて、懐かしい方にたくさん会えました。父も参議院を2期務めていたので、親子での参加です。

 復興支援の為に製造された福島県産「参議院」という日本酒で乾杯。このお酒は参議院のコンビニで買えるようです。

2013年3月6日(水)第183回参議院本会議 代表質問
 みどりの風の亀井亜紀子でございます。

 政府四演説について、みどりの風を代表し質問致します。

 我々は何の為に国会議員を志したのかと総理は演説で問いかけました。私は2007年夏の安倍内閣の時に初当選したのですが、当時最も熱く訴えたことは米国主導の新自由主義、いわゆる市場原理主義からの脱却でした。この思想は規制改革を伴うことが特徴です。小泉・竹中路線の構造改革は、総合規制改革会議や規制改革・民間開放推進会議を設置して進められました。安倍内閣においても、聖域なき規制改革を進める為、規制改革会議が発足しました。経済財政諮問会議も復活し、産業競争力会議のメンバーには竹中平蔵氏が入っています。

 そこでお尋ね致します。

 総理は官から民へのスローガンで進められた規制緩和や郵政民営化は正しかったとお考えですか。

 先般、改正郵政民営化法に自民党が賛成したことは、民営化担当相であった竹中氏の間違いを認めたに等しいと思うのですが、いかがですか。

 構造改革の結果は惨憺たるものだと私は思います。タクシーやバスの規制緩和は運転手の賃金低下やツアーバスの事故につながりました。大学設置基準の緩和や司法制度改革は学部や法科大学院の定員割れを引き起こし、問題が山積しています。総理、六三三四制の見直しによる教育再生より、大学や法科大学院の見直しが急務ではありませんか。

 労働分野の規制緩和も罪深い政策です。

 総務省の発表によれば、契約社員や派遣社員などの有期雇用労働者は約1,410万人、全労働者の4人に1人です。私は労働者派遣法の改正による規制強化を目指していました。ところが政府提出法案は民自公の三党合意により大幅に修正されました。

 修正案の趣旨説明に対する自民党議員の質疑は次のようなものでした。資本主義社会では、労働者には働き方を選ぶ権利がある、企業にも雇い方を十分選択する権利がある。企業が人を雇いにくくする民主党の政策は、雇用を減らし、失業を増やし、国の競争力を奪い、空洞化を加速させる。登録型派遣や製造業務への派遣を禁止するなどという現実離れした案を二度と持ち出すことがないよう強く求める。私はこれを聞いて修正案に反対しました。同時に非正規社員を正社員化する改革は無理だろうとも思いました。雇用形態にとらわれない賃金制度、同一労働同一賃金の仕組みを日本流に取り入れる方が現実的だと今は考えています。

 先日、厚生労働省が正社員と非正規労働者の中間に位置する准正規労働者の創出に乗り出すと報道されました。中二階を設けて労働者を階層化した場合、問題がより複雑化しませんか。厚生労働大臣の見解を伺います。

 TPPについて質問致します。

 TPPは規制改革と切り離せない問題であり、言うまでもなく米国からの外圧です。総理は貿易や投資のルールを国際的に調和していかねばなりませんと自らおっしゃいましたが、これこそがTPPの本質であり、関税撤廃よりも規制調和、つまり各国のルールを米国流に変えることを狙っています。総理、なぜルールを調和する必要があるのでしょうか。

 今回の日米共同声明は、自動車と保険がターゲットであることを示しています。自動車については、米国が輸入車に対する関税2.5%を当面維持すると伝えています。一方、日本では輸入車に対する関税は既に撤廃されており、その上、軽自動車の規格がルール違反だと言われては交渉参加に何のメリットもありません。

 保険についても、医療保険の市場拡大を狙う米国が日本の国民皆保険制度、かんぽや共済を非関税障壁だと攻撃するでしょう。郵政民営化も米国の年次改革要望書による外圧が原因でした。民営化見直しでようやく郵便、貯金、保険の三事業を全国一律に扱えるよう戻したのに、TPPに参加すればまた逆戻りです。

 政府は復興財源として平成27年度までに4兆円の郵政株の売却を予定する一方、新規事業の認可には後ろ向きです。株式の価値を高めずに売却することは、国民の預貯金を安値で放出することになりませんか。円安が続けば資金は海外に流出するでしょう。これはアベノミクスに関わる問題です。

 米国の財政は実質破綻しており、歳出の強制削減が発動されました。一方、日本の国債発行残高が1,000兆円あっても財政破綻しないのは、国民の個人金融資産が1,500兆円あるからです。つまり国債を買い支えている国民の預貯金が海外に流出する政策は決定的に国益を損ねます。アベノミクスが成功するか否かは、日銀の金融緩和で増えた資金が国内に循環するかどうかにかかっています。

 更に物価上昇に伴う所得の増加がなければ消費は伸びず、景気も回復しません。総理、来年春の消費税引上げはせっかくの景気対策を台なしにするのではないですか。軽減税率に必要なインボイスの導入も間に合いません。消費増税は少なくとも賃金の上昇とインボイスの導入時期に合わせるべきだと思いますが、総理の見解を伺います。

 医薬品や医療機器の購入に関わる消費税を経営者が負担する一方、保険診療に消費税がかからない損税の問題について伺います。

 医療は聖域だから消費税は課さないと決めたのは消費税3%の時代です。社会保障の為の増税で医療機関が倒産しては本末転倒ですが、どう対処されるのか、厚生労働大臣に伺います。

 麻生財務大臣にもお尋ねします。

 消費税引き上げは、麻生政権で決定された平成21年度税制改正法附則の文言が根拠とされました。経済状況の好転を前提として、消費税を含む税制の抜本的な改革を行うとの表現について、前提である景気回復が達成されていないと指摘すると、これはリーマン・ショック前の景気に戻るという意味であるとの説明を財務省から受けました。当時の認識について、麻生大臣に伺います。

 これについて地方公聴会で尋ねたところ、リーマン・ショックとは都会の金持ちもようやく貧乏になったかというだけであって、地方においてはバブル崩壊以降ずっと不況であると言われました。これは地方の本音であり、自公政権は失われた20年に責任があります。

 民主党を中心とする連立政権は期待外れだったかもしれませんが、それでも麻生政権から引き継いだ時、40兆円を下回っていた税収を43兆円にまで戻して安倍政権に渡したのです。この20年を総括した時、自公政権は何に失敗し、アベノミクスはどこが違うのか、総理に伺います。

 金融円滑化法が今月末で切れるので、中小企業の倒産が心配されています。この法律は延命の時間稼ぎだと言われますが、景気が上向くまでつなぐ必要はあるのです。年間自殺者数はようやく3万人を下回りました。法律を打ち切る理由を金融担当相に伺います。

 最後に保守とは何か、日本は何を守るべきか、総理にお尋ねします。

 みどりの風は、日本の伝統文化に根差した社会構造、農耕民族として自然を敬い、共生し、富を分かち合う社会が日本であり、それこそが保守であると考えます。農業に国土を保全する多面的な役割があることを重視する民族です。欧米の市場原理主義は日本になじみません。豊かな自然資源を守る為には、使用済核燃料も増やせないのです。

 憲法改正に反対ではありませんが、自衛隊を国防軍にする改正は反対です。民主主義における憲法には国民が権力を監視する意味があり、政府が改正を押し付けるべきではありません。

 憲法について、守るべきものについて、総理の見解を伺い、質問を終わります。

 ありがとうございました。

2012年7月29日(日)子ども国会議員歓迎会
 7月29日(日)と30日(月)の2日間に渡り、第3回子ども国会が12年ぶりに参議院において開催されました。私は「みどりの風」を代表し、29日(日)夜に参議院議員会館内で行われた歓迎会に出席しました。各県から参加した小学5、6年生の子ども国会議員の皆さんと引率の先生方、そしてOB、OGの皆様にお会いして、こういう取り組みができる参議院のよさを実感しました。国会見学はそう難しいことではありませんが、議員以外が国会の本会議場に座って採決できる機会というのは、この子ども国会くらいしか思い当たりません。ものすごく貴重な体験です。今回の子ども国会では東日本大震災からの復興が議員に与えられた大きな課題でした。

 島根県は津和野町の青原小学校から3人が参加していて、大勢の中から見つかるかしらと心配でしたが、無事に会ってお話することができてホッとしました。この日はちょうど脱原発デモ「国会を包囲せよ」が行われていたので、まだデモの参加者が集まっている時間帯に歓迎会を終わらせ、車中から見学しながら帰ったようです。デモを実際に目撃して子供達は何を感じたのでしょうか。

 翌日、社会保障と税の一体改革に関する特別委員会に座っていたら、子ども国会議員の皆さんが見学に入ってきたので、議事を止めて拍手で歓迎しました。12年ぶりの子ども国会なので、私にとっても貴重な体験でした。

子ども国会宣言

 4月27日(金)、ゴールデンウィークに突入する直前に滑り込みセーフで郵政改革法案が成立しました。2大臣に対する問責決議案が既に可決しており、自民党が政府に対して一部審議拒否を続ける中でこの法案が成立するという現象は、閣法(内閣提出法案)から議員立法(立法府が提出する法案)に差し替えるという亀井静香流裏ワザによってしかあり得なかったでしょう。もちろんこの法案は国民新党の結党メンバーが目指してきたものではなく、内容的にはかなり後退しています。本当に成立させたかったのは亀井静香氏が担当大臣の時に提出した閣法の郵政改革法案であり、現行の郵政民営化法の改正ではないのです。だから今回、国民新党は法案提出に加わらず、民主・公明・自民の三党による法案提出となりました。国民新党が連立を離脱しても郵政法案の審議に影響が出ないというのは、こういう意味なのです。提出者の三党は法案成立に責任を持つ立場なので、大臣の問責とは関係なく淡々と審議が進みました。

2012年4月27日(金)郵政改革法案成立挨拶(自民党)2012年4月27日(金)郵政改革法案成立挨拶(公明党)2012年4月27日(金)郵政改革法案成立挨拶(たちあがれ日本)
 4月27日(金)の参議院本会議冒頭、自民党議員が全員いなかったので、一瞬、郵政法案の採決が嫌でボイコットしたのではと錯覚しそうになりました。欠席の理由は、最初に採決した法案が内閣府提出だったからで、この後、郵政改革法案のところから自民党議員がぞろぞろ入ってきて着席したのを見た時は議員立法の意味を実感し、感慨深かったです。法案成立後は亀井静香先生、田中康夫先生と挨拶回りをしました。

 これでめでたしめでたし、というわけではなく、今後の経営立て直しは大変です。また米国はTPPを掲げて再び郵政マネー(国民の預貯金)と「かんぽ」を狙っています。郵政解散の頃と比較すると、最近の米国はあからさまに自分達の要求を剥き出しにしています。TPPでは農協の共済も標的であり、軽自動車もしかり…要するに保険・自動車分野で米国のシェアを拡大しようとあの手この手で迫ってくるのは昔から変わらないのです。そういう意味で、今後はTPPに反対する運動が郵政事業を守ることと同じ意味を持つことになります。TPPは医療も食の安全も公共事業も投資もおよそすべてが対象なので一大事です。

 最後になりましたが、今回の法案成立に対するお礼のメール、私の離党に関する激励メールをこれまでに本当にたくさんいただきました。この場を借りて皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

2011年11月16日(水)「日本再生重点化措置」公開ヒアリング全景2011年11月16日(水)「日本再生重点化措置」公開ヒアリング
 11月16日(水)、「日本再生重点化措置」公開ヒアリングが首相官邸にて開催されました。

2011年7月28日(木)環境委員会2011年7月28日(木)環境委員会で亀ポロデビュー
 節電の夏、環境省はクールビズより一段上のスーパークールビズを提唱しています。国会ではどんな服装で答弁するのだろう、政務三役の様子を見てから亀ポロ着用を決めよう、と思っていたら、大臣所信表明の日、江田五月環境大臣の服装は「かりゆし」でした。これなら大丈夫、と早速私も亀ポロで国会質問!1年前に作成した亀ポロ(その他のお知らせ参照)もようやく国会デビューを果たしたのでした。

 今年は親亀ポロも作ってみました。リボン亀は白とオレンジの2色、親亀は白と水色の2色、どれも2,980円で好評発売中!ライバルはやっぱりラコステのワニです。

2011年6月16日(木)「増税によらない復興財源を求める会」全体2011年6月16日(木)「増税によらない復興財源を求める会」で発言
 6月16日(木)に、「増税によらない復興財源を求める会」が行われました。

 声明文の決議をし、署名議員総数は208名でした。



増税によらない復興財源を求める声明文

 3月11日の東日本大震災で被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。被災された方々の救済とともに、復興に全力を挙げるのが我々国会議員に課せられた責務であることは言うまでもありません。大震災から3ヶ月を過ぎ、復興財源の在り方が問われ始めています。増税で財源を賄おうという案もありますが、その場合国民1人当たり数十万円にも上る大増税になる可能性があり、これでは10年以上もデフレが続いている日本経済へのダメージは計り知れません。経済を破壊しては、復興も財政再建もあり得ません。被災者にとってもその負担は大きすぎます。震災復興にメドが立ち、デフレを脱却、経済が安定成長軌道に乗るまでは増税などすべきでなく、今は国債や埋蔵金など増税によらない復興財源を見出すべきです。

 よって以下の理由から我々は、まず第一歩として、政府と日銀の間で政策協定(アコード)を締結し、必要な財源調達として政府が発行する震災国債を日銀が原則全額買い切りオペするよう求めます。

1.国債の買いオペは既に行われており、米国FRBが量的緩和策(QE2)で大量の国債買いオペを実行し成功した例から見ても、有効であることは明らかです。

2.日本は今デフレで大幅な需給ギャップを抱えている上に、東日本大震災という景気後退ショックが重なったのですから、これに増税をするのは自殺行為です。歴史的にも経済が縮小している時に増税に成功した国はありません。財政再建の為にも、デフレを脱却、過度の円高を是正し、名目成長率を上げるようにするのが基本であり、一層の金融緩和がどうしても必要です。それと復興対策が同時に可能になるのですから、一石二鳥です。

3.上述したような日本経済の現状では、相当規模の買い切りオペを行ったとしても、物価の安定を目指した適切な金融政策運営で過度なインフレを防ぐことは十分可能です。米国のバーナンキFRB議長は、「自分達はインフレをコントロールできる能力を十分に有している。」と自信満々であり、日本でできないことはあり得ません。これによって激しいインフレにならないようにすれば、「円の信認」が失われることはありません。

4.財政規律が失われ、「国債が暴落」しかねないと心配する向きもありますが、財政破綻を防ぐには基礎的財政収支のGDP比をプラスにする必要があり、その要は名目成長率を引き上げることです。現時点で増税をすれば、名目成長率は下がってしまい税収も上がりません。他方、買いオペで貨幣供給が増えれば、デフレ脱却、円高是正、名目成長率の上昇が期待でき、真の意味での財政再建に資するのです。経済が安定成長路線に回復した時に進めるべき「基礎的財政収支改善の工程表」を予め明確にしておくことも有用でしょう。

 まず、政府・日銀間で政策協定(アコード)を締結し、震災国債の原則全額を日銀が買い切りオペをするように求めます。

以上、決議する。
平成23年6月16日
増税によらない復興財源を求める会

2011年5月18日(水)第177回通常国会 「参議院憲法審査会規定案」賛成討論
 参議院憲法審査会規程案について、国民新党を代表し、賛成の立場から討論致します。

 国民新党は日本の伝統、文化に誇りを持ち、独立国家として自主憲法を制定することを公約としています。もちろん現行憲法が果たしてきた役割、すなわち日本に民主主義を根付かせ、再び戦争に巻き込まれることなく、経済発展を遂げる土台をつくったことは疑う余地がありません。戦争に突入した反省に基づき、政府の権限を制限して個人の権利を拡大した憲法の下で国民は自由主義を謳歌してきました。

 けれども東日本大震災、原発事故という国難に見舞われた今、公と私の折り合いをどう付けるべきかが改めて問われています。非常事態を想定していない憲法の欠陥が露呈した以上、自然災害や安全保障上の有事に対応すべく、非常事態規定の創設について議論を始めることは立法府としての責務であると考えます。

 そもそも日本の土地の私有権が、諸外国と比べて強すぎることはしばしば指摘されてきました。尖閣諸島が私有地であること、離島や水源林が外国資本に買収される問題について、地方自治体や住民の危機意識は高まっています。土地の所有権と利用権、居住権について、公の視点に立った議論は平時においても急ぐ必要があります。

 また国民新党は二院制のあり方を見直し、両院の機能を憲法上明確に規定することを主張しています。これは結党の経緯にまで遡ります。ご存知の通り、国民新党は郵政解散を機に結成されました。参議院で否決された法案を衆議院に戻さず、両院協議会も開かずに総理が衆議院を解散したことは憲法違反であるという主張を私達は変えておりません。

 衆議院議長を務めた綿貫民輔先生が政党を結成してまで戦った最大の理由は、議会制民主主義の崩壊に警鐘を鳴らす為でした。あの時、参議院は存在意義を否定されました。そして総選挙後、参議院が選挙結果を追認したことで、今度は自ら存在意義を否定してしまったのです。本来、衆議院の解散に脅かされずに見識を示すべき参議院が、毅然として政府に立ち向かえなかったことは、現在の参議院不要論を招く要因になりました。その声は、ねじれ国会と東日本大震災という想定外の政治状況でいよいよ高まりつつあります。想定外が重なること自体、憲法が改正を必要としている表れでしょう。

 また一票の格差について、最高裁は衆議院も参議院も違憲状態であるという判決を下しました。これを受けて、衆参とも選挙制度改革の論議が始まっています。けれども両院の役割分担を規定することなく酷似した選挙制度をつくることは、政治の安定につながりません。選挙制度は本来、憲法改正の観点から議論されるべきだと思います。

 さて、両院協議会は単なる形式ではなく調整機能です。政権交代直前に開催された両院協議会に私は出席しましたが、その席で民主党は両院の合意形成に向けた議論を呼びかけました。政権交代が実現しない場合に発生するねじれ国会を念頭に与党・自民党に提案したのですが、まさか与党になった民主党がねじれ国会に苦しむことになろうとは、当時想像も付きませんでした。憲法改正まで時間を要することを考えれば、今からでも議論すべきだと思います。

 国難の今、問題は山積しています。憲法上位置付けられていない自衛隊が連日被災地で奮闘している姿に、立法府としての責任を感じます。非常事態に国民の命を守る自衛隊の活動に敬意を表し、原発事故が収束に向かうことを願い、賛成討論を終わります。

2011年3月6日(日)行政刷新会議「規制仕分け」評価結果シート2011年3月7日(月)行政刷新会議「規制仕分け」
 政府の行政刷新会議が国の規制・制度の見直しを行っています。3月6日(日)、7日(月)には「規制仕分け」が五反田のTOCビルで開催されました。国民新党は小泉政権時代に推し進められた新自由主義、構造改革路線に真っ向から反対している政党なので、規制緩和には非常に神経質です。実際、建築基準法の緩和と姉歯事件、米販売業者の緩和と事故米事件の因果関係はこれまでも指摘されてきました。菅政権はTPP参加、規制緩和、消費税増税を目指し、社会保障改革では小泉政権を支えた与謝野氏を中心に据えたので、政策的にも小泉政権に近付き、何の為に政権交代したのかわからなくなってきました。民主党の政策が180度変わることは、連立を組んでいる国民新党としてはやりにくいことこの上なく、現在は菅政権の新自由主義路線にブレーキをかける役割を果たしています。連立与党として仕分け人の枠があるので、事業仕分けに続いて今回も規制仕分けに参加しました。

 規制見直しの対象となっている項目は、2月28日(月)〜3月4日(金)まで東京で開催された「日米経済調和対話」において、米国が提出した要望書の内容と見事に重なっています。この「日米経済調和対話」は昨年11月の日米首脳会談で菅総理が米国に対して毎年開催すると約束したもので、今回の要望書は、1994年から2008年まで米国が毎年提出した「年次改革要望書」の復活版です。そもそも郵政民営化は米国が日本国民の資産300億円を狙って市場に取り込もうとしたこと、米国の医療保険の市場拡大を目指して政府系の簡易保険を潰そうとしたことが出発点で、言わば外圧によって始まりました。日本郵政株は株式売却凍結法案の成立によって、現在は市場流出を止めてあります。私は別に反米ではありませんが、どの国も国益を貪欲に追求するもので、それは国際協力の分野とはまた別の次元の話です。国会議員である以上、日本の国益には敏感でありたいと思います。

 今回の規制改革135項目は、あまり人目につかずに閣議決定された感があります。スケジュール面では3月中に全項目について閣議決定することになっていたので、震災の影響で当初予定の半分程度を閣議決定というのは唐突なことではないのですが、問題は民主党内で議論された形跡があまり見当たらないことです。政府が選んだ有識者の意見を優先し、政党内の活発な議論無く閣議決定される手法は、今後対立を生むことになるでしょう。

 各省庁との調整がついた135項目を閣議決定するとのことで、私も事前にチェックし、項目削除や文言修正を要求しました。項目削除については実現できず、仕方がないので文言修正でブレーキをかけました。「医療法人の再生支援・合併における諸規制の見直し」については、営利法人の医療参入や混合診療の解禁につながらないよう、「国民皆保険制度を守ることを前提として、以下を行う。」という文言を冒頭に差し入れました。「必要性について検討」という表現も省庁間調整の段階で入っているので、必要性がなければ行わないと読むことができます。駅ナカ保育所を設置する為の建築基準法緩和についても、震災後にやるべきことなのかどうかクレームをつけました。これは確認したところ、古い駅舎の中に保育所を作るのではなく、増築して渡り廊下で駅とつなぐことを許可してほしいということだったので同意しました。

 最後まで対立したのが中国人に対するビザの緩和です。昨年、団体旅行客だけでなく、個人観光客に対しもビザを発給するという緩和を始めたばかりで、今年6月に検証結果が報告される予定です。検証を待たずに数次査証(有効期間内に何度でも入国できる)の発給を決めることは拙速であり、外務省の見解は私と同じでしたが、蓮舫大臣に強いこだわりがあって、どうしても項目削除に応じませんでした。昨年の中国人ビザの緩和は不法就労や偽造ビザでの入国の問題が指摘されており、今年6月の検証を待つのが常識的であると私は思います。

 結局、閣議決定の文言から「緩和」という表現を削除することで合意しました。「見直し」であれば規制も緩和も含まれるので、今回緩和を決めたわけではありません。外務省とはこの点、確認済みです。不法就労者が増えることは人口構成を変え、外国人参政権の付与は政策決定者を変え、それは国の形が変わっていくことを意味するので、今後も政権内の動きに十分注意したいと思います。

 今年7月に開催される世界遺産委員会において、世界自然遺産登録を目指している小笠原諸島を参議院環境委員会のメンバーで視察しました。

1月19日(水)
2011年1月19日(水)海上自衛隊飛行艇US−2
 早朝、超党派の派遣議員6名と随行者数名とともに参議院議員会館を出発し、まずはマイクロバスで厚木基地へ。通常、小笠原諸島へは東京竹芝桟橋から「おがさわら丸」に乗船し、約26時間で到着しますが、この場合、船の運航スケジュールの都合上、6連休が取れないと往復できません。さすがにそんな日程は無理なので、私達は厚木基地から海上自衛隊の飛行艇US−2で現地に向かいました。もちろん厚木基地も飛行艇も初めて…。まさか環境委員会に入って自衛隊の飛行艇に乗るとは思いませんでした。飛行艇の座席は前向きが少なく、バスのように窓に背を向けて横向きに座ります。議員席は前向きでしたがシートベルトはジェットコースターのように仰々しく、首から認識票をかけると「いざ出陣」という気分になります。この飛行艇は洋上救難などを任務としており、救助隊員も同乗していて、これ以上安全な乗り物はないはずですが、やっぱり緊張!犬の鑑札みたいな、この認識票が不安を煽るのでしょう。

 さて、プロペラの音がして離陸するとあっという間に高度が上がりました。すぐに雲の上に出て、そこからは普通の飛行機のよう…。シートベルトも解除して、ようやく楽しくなってきました。3時間ほど飛行して父島の二見湾に着水、バシャーンと水しぶきが上がります。今度はプロペラで船のように岸まで推進し、次にウィーンと車輪が出たと思ったら父島基地に乗り上げて到着。何とも便利な乗り物です。副村長他、10数名が横断幕とレイ(首飾り)を手に出迎えてくださいました。

 まずは徒歩ですぐ近くの小笠原ビジターセンターへ。ここでお弁当を食べながら小笠原諸島の歴史、世界自然遺産登録に向けた取り組み等について説明を受けました。小笠原諸島というとホエールウォッチングなど「海」を連想するかと思いますが、世界遺産としての価値は海にあるのではなく、「地形・地質」、「生態系」、「生物多様性」の3つがセールスポイントです。

 小笠原諸島は海洋プレート同士がぶつかり合い、沈み込みから現在までの地質的な成長過程を陸上で見ることができる世界で唯一の場所であり、ボニナイト(海洋プレートの沈み込みが始まって間もない時期にのみ発生する特殊な岩)の露出規模が世界最大です。また大陸と一度も陸続きになったことがない為、生物が固有種へと進化を遂げた「生態系」の見本が数多く生息しています。特にカタマイマイ(かたつむり)は多くの種に分化し、特徴的です。その他、鳥類のオガサワラオオコウモリ、昆虫のシマアカネ(トンボ)、植物のシマザクラなど、数多くの希少種が見られる「生物多様性」を誇っています。

 そこで日本政府は平成15年5月、小笠原諸島を世界自然遺産の候補地に選定しました。世界自然遺産に登録される為には「自然景観」、「地形・地質」、「生態系」、「生物多様性」の4つの基準のうち、1つ以上に合致することが必要です。平成19年1月に世界遺産委員会事務局への暫定リストを提出し、その後、事務局に指摘された外来種対策に力を入れ、平成22年1月に推薦書・管理計画を提出しました。昨年夏に国際自然保護連合による現地調査があり、いよいよ今年7月に審査が行われるのです。

 以上の説明を聞いた後、私達は長崎展望台→東平→中央山→奥村→ノネコ一時収容施設→扇浦の順に島内を視察しました。

2011年1月19日(水)長崎展望台からの風景2011年1月19日(水)サンクチュアリの遊歩道2011年1月19日(水)たこ足のような鮹の木2011年1月19日(水)中央山山頂にて。2011年1月19日(水)外来種ノネコとノヤギの侵入防止柵2011年1月19日(水)ノネコ一時収容施設の看板
 長崎展望台と中央山からは父島の地形を把握することができます。遊歩道に生息する固有の植物、また外来種のアカギなど、環境省の現地スタッフに教えてもらいながら歩きました。東平には森林生態系保護地域(サンクチュアリ)があり、かなり広い地域ですが、入口に近いところを少し歩いて動植物の説明を受けました。ノネコ(人間が持ち込んで野生化した野良猫)による固有種の捕食(例えばアカガシラカラスバト)が深刻なので、ノネコを捕まえて島外に出すという活動が続けられており、地元のボランティアの方々から説明を受けました。ノネコは「駆除する」と言うと反対者がいるけれども、捕獲して島外に出し、里親を捜しましょうということなら誰もが賛成できるので、期間限定で全部捕獲するつもりで取り組んでいます。実際、雄雌が1組でも残ったら増殖してしまうので、意味がないそうです。東京都獣医協会がノネコを本土で一時収容し、現在300匹もの里親捜しを実施しています。(猫好きの方、ご協力ください。)父島のノネコ一時収容施設(NPO法人小笠原自然文化研究所)は港の桟橋近くにありました。

2011年1月19日(水)大口開けるグリーンアノール
 そして桟橋近くの奥村というところでは、外来種のグリーンアノール(緑色のトカゲ)の駆除について説明を受けました。グリーンアノールはオガサワラシジミ(蝶々)やトンボ類、オガサワラゼミなどの希少種を捕食しています。このグリーンアノールの完全駆除は困難なので、小笠原の玄関口である父島から母島などにこれ以上拡散しないように桟橋近くで捕獲しているのだそうです。原理としてはゴキブリホイホイやねずみ捕りと同じで、通り道に粘着テープの付いた箱を設置し、捕獲したグリーンアノールは安楽死(凍死)させるそうです。低温動物なので冬場はあまり見かけないそうで、前日に捕獲した1匹を見せてもらいました。島内にはグリーンアノールが進入できないようフェンスで囲った保護区もあります。

 最後にオガサワオオコウモリが生息する扇浦に移動し、農業試験の説明を聞きながら暗くなるのを待ちました。ビニールハウスの電灯を消したら、ようやくバサバサと飛び回るコウモリを発見。なかなか大きいのです。

 これで1日目の行程は終了し、夜は地元の方々との懇親会に参加しました。

1月20日(木)
2011年1月20日(木)船上の私と川口順子先生2011年1月20日(木)進行方向の景色2011年1月20日(木)南島2011年1月20日(木)千尋岩(ハートロック)2011年1月20日(木)断崖に露出するボニナイト2011年1月20日(木)兄島海域公園の美しい海
 1日目は陸から、2日目は海から視察するというのが今回の行程。天候にも恵まれ、とびうお桟橋からパパヤという会社の船に乗っていざ出航。二見港の出口までは風が強くて大揺れでした。空港候補地の州崎を通り過ぎ、父島南部地質を見る為に南下します。途中、石灰岩地帯のジョンビーチ、南島に面したジニービーチ、そして断崖絶壁の千尋岩(別名ハートロック)を見てUターン。ボニナイトもはっきりと確認できました。ザトウクジラも数頭現れ、尾びれが見えたり、丸い背中が見えたり…大満足です。北上して兄島海域公園まで行き、またUターン。3時間ほどの視察を終えて、とびうお桟橋に戻りました。

2011年1月20日(木)東京ラムボンボン
 全員船酔いもなく元気でしたが、3時間風に吹かれっぱなし、時には船も揺れるわけで、この視察は体力がないと大変だと思います。一度ホテルに戻って休憩し、町に出て昼食と買い物。小笠原諸島はパッションフルーツ、島唐辛子、ラム酒、パッションリキュール、ギョサン(業界向けの漁業サンダルがお洒落になり、履き心地のよいビーチサンダルとして人気上昇中)などが名産品です。それから洋菓子のモロゾフが小笠原のラム酒を使ってチョコレートボンボンを作り、東京ラムボンボンと称して東京駅の地下街で発売中。これは今のところ小笠原諸島では購入できません。副村長からいただいた東京ラムボンボンを試食しました。ラム酒をたっぷり閉じ込めてあって、チョコを噛んだ途端にラム酒が飛び出してきます。今月14日(月)はバレンタインデー。どうぞ東京駅にお出かけください。

 村役場から海上自衛隊父島基地に移動し、US−2に再び搭乗。今度は基地から二見湾に乗り入れ、湾の出口に向かって海上をしばらく進んでから離水します。父島上空を旋回してから厚木基地に向かいました。厚木基地に到着した時はすっかり夜景になり、バスで参議院議員会館に戻ったのは午後7時半頃でした。かなり充実した内容の委員会視察でした。