外国政府に対して有する米穀の売渡しに係る債権の免除に関する特別措置法案

☆議事録☆
亀井亜紀子参議院委員
 みどりの風の亀井亜紀子でございます。

 今日は舟山委員がTPPの調査でワシントンに行っておりまして、私は舟山委員の代わりに質問を致します。

 農林水産委員会は約3年ぶりの出席になります。今回の法案を拝見致しまして、私が農林水産委員会におりました頃に質問したことを思い出しましたので、今日はその関連で質問をさせていただきます。

 私が農林水産委員会にいた頃、事故米のことがかなり世間を騒がせておりました。あの時ミニマムアクセス米が話題になりまして、つまり事故米の件というのは、ミニマムアクセス米というのが日本人の口に合わないので倉庫に店晒しになっていた、それを本来食用には使わないということで二束三文で業者に渡したところ、それが加工されてせんべいになったり日本酒になったりしたという、そういう事件でした。

 その時に私は、ミニマムアクセス米を日本人が好んで食べないのであれば、それを途上国の支援に回してはどうかということを申し上げました。当時の農水省の回答は、ミニマムアクセス米というのは一度国内に入れる、受け入れるということが条件とされているから、なかなか例えばタイ米を日本の引き取り分だけアフリカに支援に回しましょうということは難しいんですということを言われていたんですが、何かちょっと工夫をしてみますというか、検討しますというような言いぶりでありました。

 その後、何か検討はされたのでしょうか。お伺い致します。

稲津久農林水産大臣政務官
 ミニマムアクセス米についてのご質問でございますが、まず最初に一つ、こちらの方からも説明をさせていただきたいと思うんですけれども、国家貿易により輸入したミニマムアクセス米について、国産米では十分対応ができない加工食品の原料ですとか、それから飼料用等に、これが中心に販売をしているということでございますが、海外への食糧援助についても活用しているところでございます。

 ご指摘の今のところのご質問なんですけれども、このミニマムアクセス米について、いわゆる通関されていない以上、ミニマムアクセス米輸入実績としてカウントをするということが、これ実質的に困難でございまして、保税の倉庫に納めて外国産米を我が国に持ち込まずに直接援助用に仕向けるということが、このことについては現段階では困難なものであると、このように考えているところでございます。

 ただ今後とも、この輸入をしたミニマムアクセス米の援助への使用についてなんですけれども、これは国際食料問題への貢献の観点に立った上で、外国または国際機関から要請を踏まえて、WTOの協定等、国際ルールとの整合性にも留意を致しまして、関係省庁と連携を図り適切に対応していきたいと、このように考えているところでございます。

亀井亜紀子参議院議員
 一度通関させなければいけないという条件はそのままのようですけれども、通関させた後でも一部支援に使っているようですが、そういう動きをもう少し積極的にやっていっていただきたいと思います。

 次の質問、ネリカ米については紙委員と質問がダブってしまいましたが、簡単にお伺い致します。

 このネリカ米の普及にJICAは力を入れているようでありますし、以前タンザニアのダカワというところで寺尾式農業というものが普及していると聞いたこともあります。基本的に日本の支援というのは、かんがい施設や肥料などがなくても栽培ができる、現地に合った稲作支援だと聞いておりますけれども、このような取り組み、広がっておりますでしょうか。

稲津久農林大臣政務官
 非常に大事なご指摘でございますので、少し中身も含めて答弁をさせていただきたいと思いますが、まず第4回のアフリカ開発会議におきまして、これは2008年ですけれども、2018年までの10年間、先程のご質問にもありました、サハラ以南のアフリカでの米の生産量を倍増するという計画が打ち出されまして、我が国はその実現に向けて国際機関としっかり連携協力した上で取り組みを進めているという状況でございます。

 この中で農林水産省では、現地に合った取り組みとして国連の世界食糧計画、これが農民の方々による水田や水路の復旧を支援する事業、それからアフリカの稲センターが低コストな稲作営農手法を、これを実証して、その技術を農民の方々に普及する事業、いわゆる普及事業などの取り組みを支援しているところでございます。

 これらのことによりまして、平成24年度から28年度までリベリア等で200ヘクタールの水田の復旧を支援、これは内戦で田畑等が著しい破壊を受けた、この復旧支援、それから平成21年度から、これはベナンですけれども、実証
展示圃、いわゆる実証実験の田んぼですね、これを12ヶ所設置を致しまして、農家の方々への技術普及を支援しているところでございます。

 こうしたことで支援の輪は拡大しているというふうに認識をしておりまして、今後とも議員ご指摘のことも踏まえて、現地で活動するこれらの機関と協力して、いわゆる現地に合った稲作支援を進めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。

亀井亜紀子参議院議員
 時間が少なくなってまいりましたので、次の質問、二つ続けて大臣にお伺いをしたいと思います。

 最近私が読んだ農業関係の本で非常に参考になったのが、この「日本農業への正しい絶望法」という本でございます。松江出身の神門善久という農業の研究者が書かれた本なんですけれども、帯のところに「有機栽培だからおいしい 農業は成長産業だ 日本人の舌は厳しい 全部、ウソです。」と書いてあります。この本のおもしろいところは誰にも味方をしていない、つまり政府にも農協にも農業者にも味方をしていない、かなり中立的に言いたいことを言っているという点で非常に参考になる本でした。

 この本を参考にしながら質問に入りたいと思います。

 まず食料自給率についてなんですけれども、実はみどりの風が自民党さんにご挨拶に行った時に、石破幹事長とお話をしました。その時に食料自給率の話になったんですけれども、食料自給率なんということを言っていちゃいかぬですよという趣旨のことを言われました。そう言われたんですけれども、今このTPPに参加表明した政府であり自民党でありますけれども、かつては食料自給率の向上ですとか食料安全保障という概念がかなり強くあったのですけれども、それはもうなくなったんでしょうか。それとも今、食料自給率の目標値というのはきちんとあるのでしょうか。そして農業を成長産業に、農業者の所得倍増といった、そういう勇ましいスローガンは聞こえてくるんですけれども、それは誰に対して売るのでしょうか。例えば中国の富裕層に対して売るというような、そのような発想であるのか、仮にその場合に、国内の食料自給率の向上にはつながるんでしょうか。

 まず、じゃ、ここで切りたいと思います。

林芳正農林水産大臣
 ちょっとその本を後でまた拝見させていただく機会があればと思いますが。

 この食料自給率でございます。やはり食料の安定供給を将来にわたって確保していくということは、国家の最も基本的な責務であると考えておりまして、そういった意味で自給率の向上とか不測時の食料安全保障、これは食料・農業・農村基本法に基本施策として明記をされておりまして、TPP交渉如何に関わらず、国として取り組むべき課題であるということでございます。

 その基本法に基づく食料・農業・農村基本計画というのがございまして、これで現行のカロリーベースは50%、生産額ベースで70%ということをそこに明記をしてあるということでございます。

 もう一つのお尋ねはこの需要の拡大と、こういうことでございましたが、いろんなことが考えられると思いますし、それから供給の方と需要の方をやはり横串を刺して全省統一的に検討する必要があると思いまして、1月に省内に攻めの農林水産業推進本部を設置してそこで今やっておりますが、農林水産業のやっぱり強みを分析する。仙台にお邪魔した時に、1粒1,000円、1箱じゃなくて、で売っているイチゴなども見せてもらいましたけれども、こういう付加価値をつくること、丹念に作っていってそういうことをやるですとかブランド化するとか、それから中国の富裕層も含めて世界の食市場が、これATカーニーの資料ですが、今後10年ぐらいで340兆から680兆、その伸びのうちの大宗をアジアが占めていると、こういうところでございますので、当然中国のみに留まらず、外の市場も需要として開拓していくということが大事だと思っておりまして、それの具体的な戦略を今検討しておるところでございます。

亀井亜紀子参議院議員
 今のお話ですと、やはり付加価値の高い、高品質の高い農産物を海外に出していくという発想であると理解しました。

 その場合に、TPPで関税をなくして国境を開いた時に、完全な価格競争になりますから、日本で栽培された安全で高くておいしいものを中国の富裕層が買い、中国の危険な土壌で、汚染された土壌で生産されたけれども安い農産物を日本の消費者が好んで食べるというようなことも出てくるんじゃないかと心配をしております。

 それで次の質問なんですけれども、欧米諸国というのは食料自給率がかなりありまして、余剰の農産物を輸出補助金を付けることによって途上国にダンピング輸出をしてきた、これがかなり今問題視をされております。

 この食料増産を狙った補助金を減らしなさいというのが今のWTOの一つの要請であり、全体的な農業交渉の中では、関税を削減すること、輸出補助金を削減すること、そして増産効果の高い補助金を削減することというのが非常に重要視されると。

 そう考えた時に、日本の戸別所得補償というのはこの増産効果の高い補助金に当たるのではないかと考えることもできます。今回の自民党の予算というのは戸別所得補償の方を減らして農業土木を増やしたと、そういうふうに私は捉えておりますけれども、この戸別所得補償、このような補助金を減らした理由として、増産効果の高い、OTDSと言いますけれども、補助金を減らさなければならないと、それに引っかかるから減らすと考えられたのかどうかという質問がまず1点です。

 また最後の質問をまとめますが、規模拡大についてですが、この神門教授の指摘によりますと、規模拡大の為に補助金を出します。耕作機械が通りやすい区画された農地というのは実は転用もしやすくなる、住宅に転用しやすくなるので、実は農業者というのがみんな善良ではなくて、補助金で区画整理をしてもらって何年かしたらアパートにでも転用しよう、それを狙って規模拡大に応じるということがあると。何が起きるかというと、その区画整理された中で一生懸命農業をやっている人の農地の横に住宅が建つというような虫食い状態になっていくと、それが問題視されています。ですので政府としてすべきことは、計画的な農地転用、ここは農地だけ集めますというような計画的な農地転用や、農地基本台帳の管理や情報公開ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

林芳正農林水産大臣
 いくつかいただきましたのでまとめて手短にお答えしたいと思いますが、まず先程ちょっと最後おっしゃった、中国から安いものが入ってくるというところは、安くて安全でいいものであればあり得るかもしれませんが、別途SPSというのはWTO上ございますので、安全でないものがどんどん入ってくるということはないということは基本的に申し上げておきたいと思います。

 その上でこのOTDSですね、貿易歪曲的国内支持ということでございますが、これはまだWTO協定の中で議論をされている段階でございまして、まだ協定の中できちっと位置付けられておりません。従ってまだこの制度というのはないわけでございまして、これに該当するかどうかという議論もできない段階と、こういうことでございます。

 そういうことでございますので、経営所得安定対策というふうに名前を変えて戸別所得補償を、現場が混乱しないようにやっていく為に名前は変えましたけれども、実際の制度、現場の混乱を最小限にする為に同様の制度でやっていこうというのが今年でございますので、予算を削ったということも実はないわけでございますので、まずそのOTDS自体がまだ概念上成立していないということと、従って予算の、そもそも削っていないわけですが、関連性もないということでございます。

 それから大区画化のご質問がありましたが、農業農村整備で大区画化をしたり排水状況をよくするということで生産性を高めて担い手に集積を進捗させる、大変大事なことだと思っております。これは農家のご負担ももちろんございますし、それから事業完了後8年は優良農地として位置付けて、農地転用許可は原則として認めないということになっております。今後もこういう優良農地に該当するものはもちろんですが、該当しない農地についてもこの制度の適正な運用をしていきたいと、こういうふうに考えております。

中谷智司農林水産委員長
 加治屋農林水産副大臣。答弁は簡潔にお願い致します。

加治屋義人農林水産副大臣
 区画整理については大臣もお話しの通りでございますが、この農地の基本台帳についてお答えしたいと思います。

 農業委員会が整備する農地の基本台帳は、農地に関する業務の基礎資料として、農地の地番、所有者、借受人等についての情報を記載しているものであります。農地基本台帳はほぼすべての農業委員会で整備されているところでありますが、その情報の更新については、9割以上の農業委員会で毎年少なくとも1回は情報が更新されております。また1割弱の農業委員会では、マンパワー不足による更新が進んでいない状況にあります。このような状況に対応する為に、農地基本台帳のデータの電子化や固定資産課税台帳などの情報の突き合わせが容易に行えるようにすることが重要だと思っております。この為、従来から国として農地基本台帳の電子化等を支援してきたところでありますが、今後とも農地基本台帳の更なる充実に努めてまいりたいと思います。

 以上です。

亀井亜紀子参議院議員
 色々申し上げたいことはありますが、時間ですので終わります。

 ありがとうございました。

二院制の存在意義

☆議事録☆
亀井亜紀子委員
 みどりの風の亀井亜紀子でございます。

 両参考人に一つずつ違う質問をしたいと思います。

 まずはじめに加藤秀治郎参考人にお尋ねを致します。

 昨今、現憲法はGHQが作った占領憲法であるので、一番過激な人はこの憲法を破棄すべきであると言いますし、そうでなくても前文から書き直す、いわゆる自主憲法を制定すべきである、それでこそ独立国家だという意見が強くなってきております。

 今日お配りいただいたこの資料を拝見していて感じたことなんですけれども、先生の資料の2ページ目に、憲法制定過程での両院制に関しての記述がございます。この時、GHQ草案は一院制であった、マッカーサーは一院制をよしとした。直属の部下のケーディスの発言では、場合によっては一院制では譲ってよいが、その代わり他は変えさせないと。結果として日本側が粘り参議院を創設。第二の考慮の機会を置く為の上院とあります。

 ここからも見られるように、私の感想というのは、あのGHQに占領されていた中で、なかなかアメリカにものを言えない環境の中で、当時の日本人はいくつか頑張って自分達の意思を入れていったと、その中の一つがこの二院制であったのだろうなというふうに捉えているんですけれども、先生のご見解についてお伺いしたいと思います。

加藤秀治郎参考人
 日本側が修正したことはいくつかあるんですが、そのうちの一つが一院制を二院制にして参議院をつくるということだったんですが、これはまあアメリカ側の、それこそこういう議事録まで公表しているところがいかにもアメリカ的らしいんですが、内部で、日本が何か言ってくるだろうから、その時はここを変えようということをいくつか用意していまして、その一つに一院制でなくしたいと言ってきたら二院制を認めようといって、これを取引の種というふうに言って用意をしていたわけですね。

 ですから日本が考えがあって二院制をつくるなら、つくるということでよかったんだと思いますが、欠けていたのは、貴族院については明確な理念を持ってつくられた議院だと思いますが、参議院をつくる時の参議院は何をするところかというところの議論ですね、それを読んでみてもいま一つはっきりしないというところが問題で、つくったことはそれで意味があったと思いますが、意味を持ち得るような改正だったと思いますが、そういう入れ物、革袋にちゃんとしたお酒を入れたかどうかというと、やはり私は疑問で、それはずっとこの六十何年宿題として残されていて、参議院がそれこそ議論しなきゃいけなかったんですが、先程から申しているように、良識の府というふうな何となく格好いい看板を盾に内部の議論を怠ってきたのではないかということを、そういう印象を持っております。

亀井亜紀子委員
 ありがとうございます。

 二院制はどうあるべきかということがこの憲法審査会の一つの争点であり、その中に、では一院制ではどうなのかということが話し合われているわけですけれども、少なくとも事実として、当時占領下にあって日本人がかなり強い意思でこの二院制を、まあ将来の問題点が予測できなかったにしろ、日本人の意思で入れたということは間違いがないことだろうと思います。

 そこで二院制を維持すべきであると主張されている加藤一彦先生にお尋ねしたいのですが、今の問題点は、やはり選挙制度が似通ってきて、参議院も政党化をしてしまった。同じような選び方をされて、同じような議論を2回やって、参議院がいわゆる政争に明け暮れているような状態であっては、二つ院がある意味はないではないかというところが出発点なのではないかと思うのですが、そこで一票の格差についてお伺いしたいと思います。

 昨今、衆議院の方は、高裁で選挙無効とまでの判決が出ました。参議院の方はまだ無効という判決は出ておりませんけれども、違憲状態という判決が出ております。

 亡き西岡参議院議長が、選挙制度改革について議長のお立場でかなり積極的に、中立的な立場で関わっておられました。その時に西岡議長は、各県の代表、つまり地域代表という位置付けを残せないかと色々お考えになって、アメリカで各州で2人代表がいるように県代表を残せないかと考えたのですけれども、アメリカは連邦制を取っているので、人口に関係なく各州が同等であると。けれども日本は連邦制ではないので、憲法にそこまで書き込まれていないので、各県を同等に扱うということを言い切れないのではないかと、そういう学者さんの意見があって、それで各県の代表ということを諦め、ブロック制での比例という考え方を出されたという経緯があります。

 ただ一方で、一票の格差について衆参が全く同じでいいのかと。そういう見解ですと、この二つの院はやはりどうしても限りなく近づいていってしまう。なのでここに工夫は必要だろうと思うんです。

 私は人口が少なくて、けれども非常に投票率の高い県から選出をされています。7割の人が投票に行く県です。それで人口が少ない県から見ると、人口が多いけど、ほとんど半分…

小坂憲次憲法審査会会長
 答弁時間を確保してください。

亀井亜紀子委員
 はい。

 投票率も考慮したような選挙制度ができないのかというふうな声も聞こえてくるんですけれども、すみません、時間短くなりましたが、何か最高裁が言うことがすべてなのかどうかも、そういう点も含めてご意見をいただけたらと思います。

加藤一彦参考人
 参議院の選挙制度改革という違う論点のお話ですので、これ話し始めるとちょっと長くなりますので、ポイントだけ指摘しておきます。

 西岡議長の下でつくられたブロック案が、恐らくはこれがベースになる改革案であるというふうに私も思います。昨年の最高裁判所の判決では、都道府県別及び非拘束名簿式比例代表制の下での選挙制度ではもはや限界だという指摘を受けているはずです。であるならば、この最高裁の判例に従った格好での選挙制度の改革をされた方がよろしい、これが一つのポイント。

 第二番目のポイントは、衆議院の選挙制度のみならず、参議院の選挙制度の時に1対2とか1対3とか、そういう話が平然と出てきます。これが恐らくは多くの、これは衆議院、参議院、それぞれ院を構成される国会議員の方々が勘違いされているところが1個あると思います。最高裁判所が1対2であるとダメなんだというのは、制度としてダメなのではないと、これは権利の問題なんだと、要するに有権者サイドからすると、平等選挙が実現されていないんだという権利論なんだということを忘れないでいただきたいということであります。従って制度で何が一番適合できるかということを考える時には、有権者の権利というサイド、その視点を忘れないでくださいということ。

 以上です。

放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件

☆議事録☆
亀井亜紀子委員
 みどりの風の亀井亜紀子でございます。今国会から総務委員会に移りまして、NHKの予算審議に立ち会うのは初めてでございます。

 伺いますと、これまで全会一致で必ずNHK予算というのは通過をしてきたということでして、恐らく毎回附帯決議が付いて、そこに色々な注文が、本来追及すべき注文がたくさん付いているという、そのような形ではなかったかと推測しております。

 この附帯決議案、今こちらにございますが、四番のところで「放送の自律性、不偏不党性を確保して、正確かつ公平な報道に努めること。」とございます。この点について、昨今疑問に思うことがいくつかございましたので、今日はまず公共放送の中立性という視点で質問をさせていただきます。

 まずはじめの質問は、みどりの風が関わることなのですけれども、「日曜討論」に関しまして、実は今年の1月からもう2ヶ月ほどNHKさんとやり取りをしております。みどりの風が抗議を致しまして、NHKの担当者の方が、はじめはチーフプロデューサー、それからこの資料にございます報道局の方などお越しいただいて、意見交換をしてまいりました。

 何が問題になっているかと申しますと、これは1月にある方から指摘をされたのですが、なぜみどりの風は政党であるはずなのに各党に聞くという与野党の対談に出ていないのか、みどりの風は政党ですかと聞かれたことがあります。

 それで気が付きまして、NHKにその判断基準を聞きましたところ、公職選挙法上は、国会議員が5人以上か、または国政選挙において得票率2%を獲得した、そのどちらかの要件をもって政党と認められるわけですけれども、NHKの場合はこの二つとも満たしていないと政党と認めないと。ですので私達は昨年12月の衆議院選挙には参加しておりませんので、そちらの条件は満たしていないから討論には呼べませんという回答が来たんですね。

 それはおかしいではないかと。公職選挙法のルールとNHKの独自基準、なぜNHKだけが違う基準を設けるのかということで散々議論をしましたところ、これはNHKの編成権の範囲であると言われました。

 私達、まだ納得をしていないんです。1月の時点では、社民党さんと私達は衆参合わせて全く同じ規模の政党でして、残念ながら今1人減りましたから衆参合わせて社民党さんよりは1人少ないんですけれども、同じ規模の政党だった時に、片方が参加して片方は参加できないということに疑問を持ちました。

 もう一つ、私が他の政党に所属していた頃に「日曜討論」にしばしば出させていただきました。その頃、中継での出演は認められないと言われておりました。つまり東京のスタジオで必ず参加をしなければならない。選挙中に政党幹部がその応援に行った選挙区から中継で参加するのは致し方ないけれども、普段は東京のスタジオでと言われたので、ずいぶん東京に拘束をされました。

 ところが最近、時々気が付くことは、例えば日本維新の会さんですとか、後ろにモニターで中継参加している政党があるんですね。一方で、NHK基準でみどりの風には声をかけないというようなことが、どうしても公平で中立であると思えないんですけれども、その点についてどのようにご説明をされますか。

石田研一参考人
 今申し上げた「日曜討論」のことなんですけれども、「日曜討論」にご出席いただいている政党については、今先生からお話ありましたように、公職選挙法における衆議院小選挙区の候補者届出政党の基準を尊重して、国会議員5人以上、直近の衆参議員選挙の選挙区か比例代表で有効票の2%以上を獲得した要件のいずれかを満たす政党を参考に、与野党同席の討論や党首インタビューなどにご出席をいただいております。

 みどりの風については結党以来、11月に2回、1月、2月にそれぞれ1回、合わせて4回、「日曜討論」にご出席をいただいております。

 また、ただ企画によりまして、放送時間や討論番組としての時間配分などの物理的な制約などから、国政選挙の結果や国政への参加の状況などを踏まえて総合的に判断して、この要件の二つを満たす政党にご出席いただいている企画もあります。また更に言えば、企画によっては与党第一党と野党第一党の幹事長の討論とか、それから閣僚と専門家による討論とか、様々な形で放送しています。

 「日曜討論」については、日本が直面する課題や政治状況に応じて総合的に判断し、与野党同席の討論とか党首のインタビューとか様々な企画を放送していくことにしておりますので、みどりの風につきましてもこれまでご出演していただいておりますが、今後も企画に応じてご出演をお願いしたいという具合に考えております。

 それから先程中継の話がありましたが、放送を作る立場からすれば、なるべく同席の討論の場合にはスタジオに1ヶ所に集まって討論していただいた方が、双方もそれぞれ出席者も討論がしやすいというようなこともありますので、私どもとしてはなるべく同席していただきたいと。どうしてもやむを得ない場合には中継ということもありますし、特に選挙中でいいますと、それぞれの党首、幹事長が遊説をしていますので、中継という場面もどうしても出てくるんですけれども、なるべくできる限りスタジオでご一緒に討論していただければという具合に考えております。

亀井亜紀子委員
 以上のことは、今日皆様にお配りしました資料に書いてございます。

 中継のことは先程急に申し上げましたけれども、やはりなぜ、確かに呼んでいただいたことはありますけれども、どうも参議院の幹部に聞くというような、参議院の中では政党として認めますけれども、全体で各党と広げた時には認められていないような、そういう印象を私達持っておりますということを申し上げます。

 もう1点、ちょうど今発売をされている「ウイル」という雑誌に中山成彬先生、日本維新の会の中山成彬先生がお書きになっていらっしゃることが、やはり中立性という点で私も問題だと思いましたが、事実についてお伺い致します。

 中山先生が衆議院の予算委員会において日韓併合、朝鮮総督府時代のことについて発言をされたところ、それが非常に話題になって、NHK国会放送の動画がユーチューブにアップされたそうです。それをNHKが著作権の侵害であるということで削除要請をして、削除をされました。ここまでは私も理解できます。

 ところが問題とされているのは、同じ日の予算委員会で辻元清美先生が従軍慰安婦問題について質問したもの、これはユーチューブから削除をされていない。ということはその削除要請の出るもの、実際に削除されるものの差は何なのか、なぜこの中山先生のものだけNHKが削除要請をしたのか、NHKの判断基準があると思われても仕方がありませんと書かれているんですが、これは事実でしょうか。

石田研一参考人
 まず最初のご質問ですけれども、確かに2月は政府と参議院代表の討論という形でみどりの風にご出席願っているんですが、11月と1月は党首のリレーインタビューという形ですし、11月は13党の政策責任者による討論という形でご出席願っているということです。

 それから2番目の削除の件ですけれども、NHKが放送した番組が無断でアップされていることが確認されれば、その都度削除を要請しています。それは著作権法で、放送した内容を録音、録画して複製する権利は放送事業者が専有すると明確に定められておりますので、NHKの国会中継の放送を無断で録音、録画してユーチューブにアップすることは違法だということです。その辻元先生のことについても、その後そういう事実がわかりましたので、同様に削除の要請を行っています。

 実際はかなりの数のそういう違法なアップがありますので、視聴者から指摘があればすぐ削除の要請をしていますが、完全に全部その日のうちに削除できるかというとなかなか追い付いていないというところが現状としてはあって、たぶんそういうことが時間差が出ることになったんだと思っております。

亀井亜紀子委員
 著作権侵害で削除というのは理解できる話なんですけれども、やっぱり時間差が出るといいますか、そこの部分は私はどうしても釈然としないものがございます。

 時間がなくなってきたので次に行きたいと思います。

 政見放送について質問を致します。

 実はみどりの風は政見放送をインターネットで見られるようにしてはどうかという、その議員立法を考えておりました。ただ、今ネット選挙の解禁が超党派で議論されているので法案の作成を止めておりますが、そのような視点で政見放送について調べておりましたところ、今日お配りした参考資料が出てまいりました。

 私達はNHKの政見放送というのは公共放送なのでサービスなのか、あるいは非常に安く作られているものかと思っておりましたらば、政党の政見放送は1本当たり170万4,000円、候補者の政見・経歴放送は候補者1人当たり38万2,000円とありまして、大変驚きました。

 総務省にこれをお伺い致しますけれども、この算定の基準はどのようになっているのでしょうか。民間とまずNHKは同じであるのか、何をベースに算定されているんでしょうか。

米田耕一郎政府参考人
 この政見放送の基準でございますけれども、そもそも公職選挙法の二百六十三条第九号によりまして、政見放送に要する費用は国庫の費用とされているということがございます。これに基づきまして私どもの方で政見放送の経費の支払基準というのを定めまして、これでお支払いをしているという現状でございます。

 NHKに対する支払の基準、これは政党の方はNHKだけでございますので、今ご質問ございましたように170万4,000円でございますが、民放と共存するもの、これが候補者の政見放送でございます。NHKの方につきましては、これは支払基準38万2,000円。それから基幹放送事業者、民放でございます、こちらの支払基準は36万円となっておりますけれども、基幹放送事業者にはこの他に各放送事業者が公表している電波料として平均1人分で約14万円が支払われていると、こういう格好になっております。

 それでいずれに致しましても、この基準につきましては、それぞれ人件費がいくらかかるとか、それから設備使用料がいくらかかるとか、そういうものを積算を致しましてこの基準を作っているということでございます。

亀井亜紀子委員
 1点質問し忘れました。

 今回の参議院選挙において計上されている政見放送予算はいくらでしょうか、総務省にお尋ね致します。

米田耕一郎政府参考人
 平成25年執行の参議院議員の通常選挙における政見放送の予算額でございますが、比例代表選挙につきましては4,761万5,000円、参議院選挙区の選挙は4億4,944万3,000円を計上しております。

亀井亜紀子委員
 政見放送というのは収録だけで編集を必要としていないので、ずいぶん高いのではないかという印象を受けているんですけれども、NHKさんは、これは他の番組の制作と比較してどのようにお考えですか。

石田研一参考人
 政見収録しているスタジオにいるだけじゃなくて、それを放送に送出するまでにいろんな手続が技術のものから含めてかかっていますので、それからそういう中継所とか何かの維持とかいうこともありますので、確かにスタジオにいる人間は見ていると数人しかいませんけれども、裏の副調整室にはたくさんの人間がいて技術的調整なんかやっていますので、恐らく積算は選挙部の方でやられることだと思いますけれども、そういう費用も含めて総務省の方でお考えになっていらっしゃるんだと思います。NHKとしては、スタジオだけじゃなくていろんな形で費用がかかっていることをご理解していただきたいと思います。

亀井亜紀子委員
 今日はとても時間がないので追及はできないんですけれども、皆様もご経験あるかと思いますけれども、選挙区の選出の議員の場合、2回収録のチャンスがありますけれども、他の民放の場合は2本撮って選択ができるんですけれども、NHKさんの場合は1本目に上書きをするので、もう1回やりますか、その時には1本目は諦めてくださいということで、かなり迫られるんですね。それでそれはNHKは公共放送なので、それこそサービスでやってくださっているのかしら、仕方ないのかしらと思っていたんですけれども、今回調べていったらこの費用が出てきたので、驚いたというのが実感なんですね。

 本当に時間がないので中身について追及ができませんけれども、今回全体の予算について、例えば制作費の中の人件費の割合ですとか、色々子会社のリストはいただきましたが、その子会社が使っている制作会社の制作費ですとか、色々伺っているんですが何も答えが返ってきていない状態ですので、予算を見ておりますけれども、ちょっと判断がつかない、見えない部分が非常に多いということで、私は透明性について疑問があるということを申し上げて、今時間ですので終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案

☆議事録☆
亀井亜紀子委員
 まず今日ははじめに、地方分権についてお伺い致します。

 今回の国会で予防接種法の改正が行われます。地方自治体の負担分を国が負担するということで、9割負担までになるということ、この改正を歓迎致します。このことで思い出したのが、実は片山元総務大臣です。消費税の…(発言する者あり)民主党政権時代の片山大臣なんですが、すみません。

 消費税の増税の議論が政府で行われていた時に、その地方負担分について当時の大臣がかなり頑張られて、色々な健診ですとか予防接種、地方自治体が実質国の業務を肩代わりしてやっているのだから、その負担はきちんとしてもらわないと困るということでかなり頑張られたということを私は思い出しました。

 そこで質問なんですけれども、かつて自公政権は三位一体改革を進めましたけれども、これはその財源が伴わなくて、かなり地方が疲弊して批判も強かったと思います。今回の改正を見ますと、地方分権を推進しながら財源は国が負担する方向に進んでいるとも見えるのですけれども、今後地方分権というのは、その権限は移譲するが財政面は国が責任を持つというような方向もあり得るのでしょうか、お伺い致します。

新藤義孝総務大臣
 これはまずこの地方分権を進めていく上で、移譲された事務権限を適正に執行する為に必要な財源を確保できると、これは重要なことであります。そしてその為の効率性を配慮しつつ必要な措置を講じていくということが重要であります。なのでその際にケース・バイ・ケースになると思いますけれども、移譲される事務権限の規模や性質に応じての適切な措置を講じるということであります。ですから地方の声も伺いながら、財源の確保に留意しつつ、適切な体制ができるように検討をしていきたいと、このように考えます。

亀井亜紀子委員
 消費税の地方税化を訴えている自治体ですとか政党があります。この考え方というのは、私のように過疎地の議員、過疎地にとってはとてもとても受け入れ難い案であります。もし消費税を完全に地方の財源とするのであれば、その基礎自治体の規模、ある程度同等にしないと大変不公平なことになります。

 そこで道州制についてお伺い致します。

 今平成の市町村合併が終わって色々な声が聞こえてまいりますが、肯定的な意見、またその合併された中で格差が広がったという非常に否定的な意見もあります。

 東日本大震災の時には、かつての合併前の町村が機能していたところがかなり避難もできたというか、助かったというような報告もありました。このことを踏まえて、より大きく統合していく道州制という形が正しいのか。

 一方でこれは菅政権の頃だったと思いますけれども、民主党として道州制は進めていなかった時期があります。つまりどちらかといえば小さく再編をしていく、だいたい人口30万人程度で全国300ぐらいの自治体に分けるようなイメージで政策が上がっていたことがあるんですけれども、より小さく統合していくというのも一つの考え方だと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。

新藤義孝総務大臣
 それぞれの地域の地政学的にも、また人口規模、こういったことからも今のことが極めて重要で、それが千差万別だから国民的議論が必要だと、こういうことだと思うんです。

 ある程度の同等にするといっても、人口でやりましたならば、それは過疎地においてはとてつもない、役所に行くのに電車に乗ってなんという、電車というか、遠くまで行かなきゃならないところも出てきますし、30万で割るとなると、首都圏や関西圏のそういった大都市は、今度は今よりも更に細分化されることになるわけであります。

 ですからそういったものは、もろもろの、どういう形態にしていくか、基礎自治体の在り方と、そしてそれを統治するような新たな形態というのは、これをやはり国民的議論を進めていかなくてはならないんだと。そして何よりも大切なことは、これから新しくつくった枠組みの中で地方自治が確立されて自立性が高まるということが、私は重要だと思っています。

亀井亜紀子委員
 それではまだ議論を深めていくという段階で、道州制と決まっているわけでもないですし、これからつくっていくという認識でよろしいですか。

新藤義孝総務大臣
 今までにいくつかの提案がなされておりましたが、まだ具体的な詳細設計まで至っていないというのが私の認識であります。

 もちろん今まで試案としてのいくつかのものは出てきておりますから、そういったものも踏まえながら、しかし実際にこれを実現させる為には、今既にもう地方からのご心配の声もいただいております、そういったものも踏まえて国民的な議論を進める、これが重要だと。そして更に議論を深めていく必要があると、このように考えているわけであります。

亀井亜紀子委員
 わかりました。ありがとうございます。

 次の質問は、地方公務員の給与削減問題についてです。地方六団体からの共同声明を読んで感じていることを質問致します。

 地方六団体からの声明で、地方交付税を国の政策目的を達成する為の手段として用いることは、地方の固有財源という性格を否定するものであるとあります。地方分権改革と地方の自主性を侵すことの整合性を、まず質問致します。

 また同じくこの共同声明の指摘で、財政力の弱い団体や、既に努力を重ねた団体ほどその影響を大きく受けるとありますけれども、一方で政府の資料の方には、算定に当たり、各地方公共団体のこれまでの人件費削減努力を反映とありますが、これが具体的にどのように反映されるのか、私もまだよく理解しておりませんので、ご説明お願い致します。

新藤義孝総務大臣
 まず地方交付税は全国に標準的な行政が施されるように、そういったことで財源の調整と財源の保障をするという根幹的な制度であります。

 地方公務員の給与については、これは今回はこれが適正だというものを閣議決定として国に準じた扱いでもってやっていただこうと、こういうことを定めた上で算定をしているわけでありまして、算定は致しましたが、それを実際にどのように実現させるかは、これは地方自治体の議会によって条例に定められて自主的に決めていただくと、こういうことで我々は要請をさせていただいているということであります。

 それから今までの行革努力に応じた、言わば頑張った自治体が報われる、一生懸命な行革努力が反映されたというのは、これは地域の元気づくり推進費において、まず均等で割り、均等で配分します。それからその上で給与、人件費の削減を比較をして、それの削減額の頑張ったところには手厚く配分がなされるようになりますし、今度は定員を大きく削ってきた、ピークの時の定数と、そして直近の定数がどのように比較したかということで、削減率の大きい自治体ほど地域づくりの事業費が手厚く配分されると。こういうことで、今までの行革努力を反映した制度にさせていただいた、考えたと、こういうことでございます。

亀井亜紀子委員
 どうもすっきりしないのが、もう既にかなり努力をしていて、今回の閣議決定に対して更なる努力は行っていないところが損をしないだろうかという、今まで怠けていたところが得をするようなことになりはしないかと、それを私は非常に気にしております。

 時間がないので次の質問に行きますが、まず今回の、やはり給与削減のやり方についてずっとやり取りを聞いてきましたけれども、大臣のご答弁が、やはりイレギュラーである、特例である、まず隗より始めよと。

 何でしょう、役所というのは前例主義ですから、その前例をつくる時に、よほどの論理的な理由がないとやはり危ないと思っているんですね。非常に論理的に何かを説明しても、前例がないからダメです、そして前例があれば通ってしまうというようなことが役所の悪いところだと思いますから、最初のその特例ができる時のその論理というのはしっかりしていないと後々非常に悪影響があると思って、私は今回のことは問題だと思っているんです。

 仮に、じゃ、給与削減を認めたとして、今度は使い道の話ですが、私が自治体の職員だったとして、給与を削減されて、でもそれを皆さんの為に使う、何に使われるかということは非常に気にします。8,500億のカット分のうち3,000億の地域の元気づくり、これはまだいいんですけれども、なぜこの5,500億のところは防災・減災でなければいけないかというところがどうしても疑問です。人件費を削ってそれがコンクリートに変わるということ、それ以外でもいいではないかというふうに私であれば感じるんですけれども、なぜこれがその防災・減災という紐付き予算でなければいけないのか、一括の自由に使える8,500億円ではいけないのですかということがまず一つ。

 それから主濱先生の質問に関連しますけれども、これは実質自由に使えるお金であると。つまり防災・減災のところは地方債で起債ができるので、起債で借金にしてしまって、実際には自由に使えるお金なのだと主濱先生はおっしゃっていたのですけれども、そうだとすると、今度は国の借金を減らしましょうと言っている国が地方に対して地方債を起こして防災・減災をすることを奨励しているような、後で国が手当てするからやってくださいと言っているようにまた聞こえるんですけれども、大臣、どのように説明をされますか。

新藤義孝総務大臣
 まず先程のその前の質問で、頑張った人、ところが損するようなというのは、そうではないとご理解いただきたいと思うんです。なぜならば、今まで削減努力をしているならば、その水準は下がっているわけなんですから、ですから、今まで努力したところは、今回この削減は、仮にそれが国よりも上回ったとしても削減幅は小さくなっているはずなんです。ですから頑張ったところは、それはそれなりに負担は少なくて済むと。しかし今まで努力してきたがまだ水準が高いものは、これはもう少し頑張っていただかなきゃならないと、こういう状態になるというふうにご理解いただきたいと思います。

 それから今の、なぜこの元気づくりを、じゃ自由に何でも使えるお金で人件費分はやればいいじゃないかということでありますが、ちょっと誤解があると思いますが、自由に使えるお金は元気づくり事業費であります。これはハード、ソフト、自由であります。

 そして防災・減災事業は、これはハードに限ったものであります。私達は今、日本の国にとってまず何よりも大切なことは、この防災・減災対策を進めなくてはいけないと。この防災・減災をやっていただくのは、これはずっと使ってもらうわけですから、後世代の方々にも負担をしていただく、そういう考えの下で地方債というものでやっていただこうじゃないかと。その金額はこちらからもう枠を示してではなくて、自治体からのご要望、今どんな計画があるか、こういったものも踏まえた上で積み上げていったものの額がこの額になったということなんであります。

 そして地域の活性化という観点から、この3,000億の地域の元気事業費というものをつくりました。これは政策の優先度の高い防災・減災、地域活性化、こういう観点に是非、この地方公務員の皆さんが協力していただいた分はその地域の住民の人達に喜んでいただけるような形で、しかも優先度の高い政策に活用されるようにと、こういうことで組み立てを考えてみたと、こういうことでございます。

亀井亜紀子委員
 それでは最後に、この緊急防災・減災事業の定義についてお伺い致しますけれども、この防災・減災には原発からの防災・減災というのは含まれますでしょうか。

 と申しますのは、私の地元の状態を申し上げますが、島根県というのは全国で唯一、県庁所在地に原発を持っております。原発から9キロのところに県庁があります。30キロ圏内の避難計画といいますのは、県の東の端に原発がありまして、隣の鳥取県まで含めますと、避難対象者が46万2,000人、この中の島根県側が39万6,000人です。県の総人口が約71万2,000人なので、県人口の半分以上が避難する計画を島根県は作らなきゃいけないんです。こういう状態にありますので、例えばオフサイトセンターの代替オフサイトセンターを建設したりですとか、様々な対応をしなければなりません。また政府備蓄米の倉庫も原発から30キロ圏内にあります。このような倉庫を例えば造ったり代替オフサイトセンター、こういった費用はこの中に含まれますか。

新藤義孝総務大臣
 まず原発の関係でございますが、オフサイトセンターの整備、それからSPEEDIの維持管理ですとか今のようなもろもろの原発関係、これはその全額が国の交付金対象となっております。そして今回のこの防災・減災の事業、これは全国的に緊急に実施する必要が高いこの防災・減災、地方単独事業ですから、これはちょっと分けて考えていただきたいと思います。

 原子力関連のものについては、これは別途国から全額交付されると。そして今度の防災・減災事業については、地域の自主性を踏まえて、この防災・減災という観点からの実施をしていただくと、こういうことになるわけであります。

亀井亜紀子委員
 ただ緊急の防災・減災というのが原発からの防災・減災なんです、実際のところ。ですから地方が自由に使っていいお金といいますか、これは防災・減災に限定されるわけですけれども、ここに原発が入ってこないと逆に何に使えるんでしょうかというふうに思うのですけれども、これは経産省予算でまた別ですよということですか。確認致します。

新藤義孝総務大臣
 ですから国の交付金の方が有利ですから、原発に関しては。そういうもので対象となるものは原発の災害に対する交付金をお使いいただければいいと思います。それ以外については、これは原発というよりも全体的に地域の防災対策なんだということで位置付けられれば、それは今回のお仕事で、今回のお金を使
っていただいて結構だと、こういうふうにご理解いただきたいと思います。

亀井亜紀子委員
 地元としては、お金に色はないのでとにかく早くしたいと、経産省の対応が遅ければ他に使えるものでやりたいということですから、そういう意味で質問を致しております。

 それでは時間ですので、ここで終わります。ありがとうございました。

行政制度、地方行財政、消防行政、情報通信行政等の基本施策に関する件

☆議事録☆
亀井亜紀子委員
 みどりの風の亀井亜紀子でございます。

 今国会の途中からこの総務委員会に異動してまいりましたので、今日が総務委員会の初質問になります。よろしくお願い致します。

 まず新藤総務大臣には竹島問題について、私は島根県選出の議員ですけれども、今まで非常に熱心に取り組んでいただいたことをお礼申し上げます。

 そして竹島の関連で、外国人の地方参政権について質問を致します。

 実は去年、予算委員会、8月27日の予算委員会におきまして、私は当時の川端総務大臣に外国人地方参政権についての質問を致しました。その時に隠岐の島の例を挙げました。

 今全国に韓国、北朝鮮から永住されている方がだいたい47万人ほど確かいらっしゃいますが、その中のほんの1%、4,700人がもし仮に隠岐の島町に住民票を移動させたとしたら、今人口が15,000人ほどですから、もうそれだけで3分の1ほどに達してしまうと。そういうことを考えますと、地方参政権といえども、領土問題に介入するということもできますから、非常に危険であると。

 なので永住権と参政権というのは違うものであるから、本来はきちんと帰化をして参政権というのは使うものであって、そう思うけれどいかがでしょうかという質問を致しましたところ、当時の見解は、まだまだ国民的な合意形成ができていないので、様々な角度からご議論いただきたいという答弁だったわけなんですが、新藤総務大臣はいかがお考えでしょうか。

新藤義孝総務大臣
 この永住外国人の地方選挙権付与の問題、これはやはり色々な関心を持って推進すべきであるという人と、それから反対だという人との意見が錯綜している状態だと思います。国家の基幹に関わる問題ですし、国民主権に則って国家は運営されていくわけであります。

 ですからそういう観点から、私は個人的な意見もございますけれども、今現状で総務大臣という立場をいただいた中で、これは行政が何かをコメントする前に、まずは国民の代表である議員、各党各会派でしっかりと議論をしていただきたいと、このように思っております。

亀井亜紀子委員
 個人的なご見解はあるということでしたけれども、新藤大臣にしてはずいぶん慎重なご発言だと感じました。

 今日は外国資本という視点で、いくつか質問させていただきます。

 次は電波法についてです。

 電波法の第五条では、外国人の議決権行使比率が20%以下とされております。

 報道されている資料によりますと、フジ・メディア・ホールディングスと日本テレビはこの議決権行使比率が19,99%で、ギリギリだとのことでございます。私も正確に持ち株比率というのはわかりませんけれども、少し古い情報ですが、日本テレビは2011年の7月29日の段階で22.66%、フジ・メディア・ホールディングスは2011年7月29日の時点で28.56%、2012年の7月27日で23.45%と、どうも一番比率が高いようであります。私、これ通告に出しておりませんが、もし総務省がその最新の数字を把握しているようでしたら教えてください。

 そしてこの議決権の行使比率というのは、放送会社が名義の書き換えを拒否することによって20%以下に落とすことができるんですけれども、ではその放送内容への影響はどうであるかと考えますと、そもそもこの外資規制というのは、外国による世論操作を防止するという一つの趣旨があると思います。ですので総務省として持ち株比率についてもう少し関与すべきだと、そのようにはお考えにならないんでしょうか、質問致します。

新藤義孝総務大臣
 まずこの外資というよりも、放送についてのまず前提がございます。放送が用いる電波の周波数は有限希少であって、その利用に当たっては自国民を優先させるべきであると、こういう原則があります。もう一つは、放送は言論報道機関としての性格を有し、大きな社会的影響力を有するものであることとの考え方に基づいて、放送法において基幹放送事業者及びこれを子会社として保有する認定放送持ち株会社に対しての外資議決権を20%未満に制限していると、こういう原則があるわけですね。

 そこでご指摘のこの外国人等の保有比率でありますが、3月21日時点での今の比率は、日本テレビホールディングスが22.23%、それからフジ・メディア・ホールディングスが25.88%と、このように20%を超えているわけであります。

 しかし一方で委員がご指摘されたように、外国人の株式の株主名簿への名簿書き換え、これを拒否することができるという放送法の規定に基づいて議決権比率を19.99%と、20%未満に維持しているということでありまして、外資規制に抵触しているとは認識しておりません。

 またご懸念の放送番組の内容に影響が生じているかということに関しては、現在において私どもとしてはそういったことは認識をしておりませんが、いずれに致しましても、この外資規制は極めて重要な、放送法における外資規制、重要な事柄だと思いますから、これは我々は状況をしっかり注視しながら取り組んでまいりたいと、このように考えます。

亀井亜紀子委員
 もう少し総務省には積極的な関与を私はお願いしたいと思っております。

 ではもう少し広げまして、今度はTPPについてお伺いしたいと思います。

 エクソン・フロリオ条項という米国の包括通商法の中にある規定についてお伺いしたいと思います。

 エクソン・フロリオ条項というのは、包括通商法ですね、アメリカの五千二十一条に規定されておりまして、米国の安全保障を脅かすような外国企業による米国企業の買収を差し止めることを目的とした条項です。具体的には航空、通信、海運、発電、銀行、保険、不動産、地下資源、国防の9分野においてアメリカの安全保障を脅かす可能性のある外国企業による買収について、対米外国投資委員会が条項に触れると判断した場合に阻止する権限を持っています。

 韓国にもこれと似たような韓国版エクソン・フロリオ条項があるそうです。ですので米韓のFTAにおいては双方が同じような条項を持っているということです。

 日本はこれに相当するものがありません。つまりTPPにおいて、日本側は自国の企業を守る手段を持たず、米国は国内法でこのような法律を持っている。これはつまり市場対等性が存在しないということなんですけれども、このことについて日本はどのように対応するのかということを西村副大臣にお伺いしたいと思います。

西村康稔総務副大臣
 お答えを申し上げたいと思います。副大臣の西村でございます。

 今委員ご指摘ありましたエクソン・フロリオ条項ですけれども、ご指摘の通り、安全保障に脅威を与えるという判断をされる場合には、その外国資本による合併や買収等を延期、禁止させる権限が付与されております。

 実は日本でも、まず国際的にOECDで安全保障に関わることについての一定のルールがありまして、そうしたものを踏まえて我が国においても、外為法によって外国為替及び外国貿易法ですけれども、これによって国の安全を損なうおそれがあるような場合には、当該投資の変更または中止を勧告、命令できることとなっております。

 ご指摘ありました、TPP交渉において今後どういう方針でやるのか、国内どう対応するのかということは、これは手の内を明かすことになりますので現段階では差し控えたいと思いますけれども、これまで我が国が締結してきた経済連携におきましても、こうした安全保障の例外に関して、今申し上げた一定の規制、国内の規制と整合的な必要な規定を置いてきておりますので、一般論として今後の経済連携協定の締結に当たっても、国の安全等を損なうことがないように対応するということを基本方針と致しております。

 TPPについては一旦交渉参加することになれば、交渉力を駆使して守るべきは守り、攻めるべきものは攻めて、国益に適う最善の結果を追求していきたいと、このように考えております。

亀井亜紀子委員
 例えばゆうちょ銀行ですとか先程の放送会社ですとか、こういうものが買収
されそうになった時にどうするのかということも非常に気になりまして、西村副大臣にお伺い致しました。

 今日は時間がないのでこの件はここで止めたいと思いますが、関連で電波法の改正案から電波オークションを除外した理由というのは、安全保障上の理由でしょうか、それともどのような視点で外されたのか、お伺いしたいと思います。

新藤義孝総務大臣
 これは色々な観点があるということだと思いますが、少なくともメリットとしては電波オークション、周波数の割り当て手続きの透明性、迅速性の確保、こういったものが考えられますが、一方で委員がご指摘のような安全保障上の問題、それから高額な落札額の支払いによってその後の事業に支障が出るおそれですとか、更には資金力のある事業者が大部分の周波数を落札する、そうした場合にはこれ公正な競争が歪められるおそれがあると、こういった様々な議論がありまして、この周波数オークションも含めた周波数割り当ての在り方は見直しをしようということにしております。

 そして従って、今国会への周波数オークション導入の為の法改正は現状においては提出を考えておりませんし、もう一度いろんな意味からの議論が必要だと、このように考えております。

亀井亜紀子委員
 電波オークションについては私は慎重な立場ですので、これは今回除外されてよかったと個人的には思っております。

 次は日本郵政について質問致します。

 先日代表質問で総理にお伺いしたんですけれども、総理のご見解は、郵政民営化は正しかったが、よりよい民営化を進める為に改正郵政民営化法を可決したということでありまして、私が伺いたいのは、現在までのところ実感できるような郵政民営化の成果は何でしょうか。また新たな業務の実施においてこれから成果が現れるということであれば、新規事業の認可が下りない現状、またTPP交渉による保険分野への圧力などについて、総務省としてはどのようにお考えですか。

 また民営化の推進というのは具体的にどういう意味で、どのようなメリットがあるのでしょうか。例えば復興の財源に使いますというようなことをおっしゃるかもしれませんけれども、それ以外ですね、株を売りますということ以外にどのようなメリットがあるのでしょうか。ユニバーサルサービスに義務を負っている会社であるというその認識は変わりませんか。お伺い致します。

新藤義孝総務大臣
 まず郵政の民営化は、これによってサービスの向上、そしてまた事業性の強化によって国民への福祉の向上が図られるということが根本にあるというふうに思います。その上で民営化以降の国民利用者へのニーズに応える、多様なという意味では、新サービスがやはり少しずつですができるようになっております。

 例えば郵便局が企業保険を受託販売できるようなことを始めました。第三分野の保険、変額年金、自動車保険、そういったものを全国のすべてではありませんが、限定されているけれども、企業の保険を取り扱うようなことでお客様サービスを拡大するということもあります。それからスルガ銀行の商品でありますが、住宅ローンの販売というものも始めるように致しました。更にはクレジットカードも導入を致しました。そして全銀行のシステム接続によって他の民間銀行との相互振り込み、こういったものも始まりましたし、過日私も行ってまいりましたが、JPタワーKITTEという、ああいった不動産投資も大規模なものは初めてなんですけれども、そういうものができているということであります。

 そして郵便に加えて貯金、保険の基本サービス、これもユニバーサルサービスを維持していこうじゃないかと、こういうことが定義付けられたという意味においては、これはしっかりと骨組みができ上がったと思いますから、これから更に国民に民営化したことによる実感を得られるように、それは具体的なサービスの向上だったり経営の改善だったりして、そういう中から様々なものを実感していただけるように我々も支援をしていきたいと、このように思っています。

 それからかんぽとゆうちょの新規業務については、これは法律に則って粛々と審査をしているということであります。ですからその法律の要件が整えば、これは事務的なものが進めば、これについては認めていくということになりますし、公正な競争ですとか、それからお客様サービスのきちんとした確保が、これができるという前提で新規業務をやるわけですから、それは法律に基づいて粛々とやっていくべきであり、それは私どもとしても、アメリカ側にもいろんなご要望があるのは漏れ伝わっておりますけれども、私達はこれはアメリカ側にきちんと、これは我が国の法律に則ってやるんですよということをご説明をしていくということでございます。

亀井亜紀子委員
 時間が参りましたので、ここでやめたいと思います。

 ありがとうございました。

政府4演説に対する代表質問

☆議事録☆
平田健二参議院議長
 亀井亜紀子君。

亀井亜紀子参議院議員
 みどりの風の亀井亜紀子でございます。

 政府4演説について、みどりの風を代表し、質問致します。

 我々は何の為に国会議員を志したのかと総理は演説で問いかけました。私は2007年夏の安倍内閣の時に初当選したのですが、当時最も熱く訴えたことは、米国主導の新自由主義、いわゆる市場原理主義からの脱却でした。この思想は規制改革を伴うことが特徴です。小泉・竹中路線の構造改革は、総合規制改革会議や規制改革・民間開放推進会議を設置して進められました。安倍内閣においても、聖域なき規制改革を進める為、規制改革会議が発足しました。経済財政諮問会議も復活し、産業競争力会議のメンバーには竹中平蔵氏が入っています。

 そこでお尋ね致します。

 総理は官から民へのスローガンで進められた、規制緩和や郵政民営化は正しかったとお考えですか。

 先般、改正郵政民営化法に自民党が賛成したことは、民営化担当相であった竹中氏の間違いを認めたに等しいと思うのですが、いかがですか。

 構造改革の結果は惨憺たるものだと私は思います。タクシーやバスの規制緩和は、運転手の賃金低下やツアーバスの事故につながりました。大学設置基準の緩和や司法制度改革は学部や法科大学院の定員割れを引き起こし、問題が山積しています。総理、六三三四制の見直しによる教育再生より、大学や法科大学院の見直しが急務ではありませんか。

 労働分野の規制緩和も罪深い政策です。

 総務省の発表によれば、契約社員や派遣社員などの有期雇用労働者は約1,410万人、全労働者の4人に1人です。私は労働者派遣法の改正による規制強化を目指していました。ところが政府提出法案は民自公の三党合意により大幅に修正されました。

 修正案の趣旨説明に対する自民党議員の質疑は次のようなものでした。資本主義社会では、労働者には働き方を選ぶ権利がある、企業にも雇い方を十分選択する権利がある。企業が人を雇いにくくする民主党の政策は、雇用を減らし、失業を増やし、国の競争力を奪い、空洞化を加速させる。登録型派遣や製造業務への派遣を禁止するなどという現実離れした案を二度と持ち出すことがないよう強く求める。私はこれを聞いて修正案に反対しました。同時に非正規社員を正社員化する改革は無理だろうとも思いました。雇用形態にとらわれない賃金制度、同一労働同一賃金の仕組みを日本流に取り入れる方が現実的だと今は考えています。

 先日、厚生労働省が正社員と非正規労働者の中間に位置する准正規労働者の創出に乗り出すと報道されました。中二階を設けて労働者を階層化した場合、問題がより複雑化しませんか。厚生労働大臣の見解を伺います。

 TPPについて質問致します。

 TPPは規制改革と切り離せない問題であり、言うまでもなく米国からの外圧です。総理は貿易や投資のルールを国際的に調和していかねばなりませんと自らおっしゃいましたが、これこそがTPPの本質であり、関税撤廃よりも規制調和、つまり各国のルールを米国流に変えることを狙っています。総理、なぜルールを調和する必要があるのでしょうか。

 今回の日米共同声明は、自動車と保険がターゲットであることを示しています。自動車については、米国が輸入車に対する関税2.5%を当面維持すると伝えています。一方、日本では輸入車に対する関税は既に撤廃されており、その上、軽自動車の規格がルール違反だと言われては交渉参加に何のメリットもありません。

 保険についても、医療保険の市場拡大を狙う米国が日本の国民皆保険制度、かんぽや共済を非関税障壁だと攻撃するでしょう。郵政民営化も米国の年次改革要望書による外圧が原因でした。民営化見直しでようやく郵便、貯金、保険の三事業を全国一律に扱えるよう戻したのに、TPPに参加すればまた逆戻りです。

 政府は復興財源として、平成27年度までに4兆円の郵政株の売却を予定する一方、新規事業の認可には後ろ向きです。株式の価値を高めずに売却することは、国民の預貯金を安値で放出することになりませんか。円安が続けば資金は海外に流出するでしょう。これはアベノミクスに関わる問題です。

 米国の財政は実質破綻しており、歳出の強制削減が発動されました。一方、日本の国債発行残高が1,000兆円あっても財政破綻しないのは、国民の個人金融資産が1,500兆円あるからです。つまり国債を買い支えている国民の預貯金が海外に流出する政策は、決定的に国益を損ねます。アベノミクスが成功するか否かは、日銀の金融緩和で増えた資金が国内に循環するかどうかにかかっています。

 更に物価上昇に伴う所得の増加がなければ消費は伸びず、景気も回復しません。総理、来年春の消費税引き上げはせっかくの景気対策を台なしにするのではないですか。軽減税率に必要なインボイスの導入も間に合いません。消費増税は少なくとも賃金の上昇とインボイスの導入時期に合わせるべきだと思いますが、総理の見解を伺います。

 医薬品や医療機器の購入に係わる消費税を経営者が負担する一方、保険診療に消費税がかからない損税の問題について伺います。

 医療は聖域だから消費税は課さないと決めたのは、消費税3%の時代です。社会保障の為の増税で医療機関が倒産しては本末転倒ですが、どう対処されるのか、厚生労働大臣に伺います。

 麻生財務大臣にもお尋ねします。

 消費税引き上げは、麻生政権で決定された平成21年度税制改正法附則の文言が根拠とされました。経済状況の好転を前提として、消費税を含む税制の抜本的な改革を行うとの表現について、前提である景気回復が達成されていないと指摘すると、これはリーマン・ショック前の景気に戻るという意味であるとの説明を財務省から受けました。当時の認識について、麻生大臣に伺います。

 これについて地方公聴会で尋ねたところ、リーマン・ショックとは都会の金持ちもようやく貧乏になったかというだけであって、地方においてはバブル崩壊以降ずっと不況であると言われました。これは地方の本音であり、自公政権は失われた20年に責任があります。

 民主党を中心とする連立政権は期待外れだったかもしれませんが、それでも麻生政権から引き継いだ時、40兆円を下回っていた税収を43兆円にまで戻して安倍政権に渡したのです。この20年を総括した時、自公政権は何に失敗し、アベノミクスはどこが違うのか、総理に伺います。

 金融円滑化法が今月末で切れるので、中小企業の倒産が心配されています。この法律は延命の時間稼ぎだと言われますが、景気が上向くまでつなぐ必要はあるのです。年間自殺者数はようやく3万人を下回りました。法律を打ち切る理由を金融担当相に伺います。

 最後に保守とは何か、日本は何を守るべきか、総理にお尋ねします。

 みどりの風は、日本の伝統文化に根差した社会構造、農耕民族として自然を敬い、共生し、富を分かち合う社会が日本であり、それこそが保守であると考えます。農業に国土を保全する多面的な役割があることを重視する民族です。欧米の市場原理主義は日本に馴染みません。豊かな自然資源を守る為には、使用済核燃料も増やせないのです。

 憲法改正に反対ではありませんが、自衛隊を国防軍にする改正は反対です。民主主義における憲法には国民が権力を監視する意味があり、政府が改正を押し付けるべきではありません。

 憲法について、守るべきものについて、総理の見解を伺い、質問を終わります。

 ありがとうございました。

安倍晋三内閣総理大臣
 亀井亜紀子議員にお答えを致します。

 規制改革や郵政民営化についてのお尋ねがありました。

 規制改革や郵政民営化は、国民の利便の向上、経済活性化等を目的として行われたものであり、その重要性は変わるものではないと考えております。また昨年行われた郵政民営化法の改正は、法律の枠組みを維持した上で、郵政三事業の一体的なサービス提供を確保する等の必要な見直しを行い、よりよい郵政民営化を目指したものと理解しています。

 政府としては、今後とも改正郵政民営化法に則って、その成果を国民に実感していただけるよう対応してまいります。

 大学や法科大学院の見直しについてのお尋ねがありました。

 大学力は国力そのものであり、大学の強化なくして我が国の発展はありません。今後、教育再生実行会議でも大学の教育研究の充実強化についてご議論をいただき、それを踏まえ、世界トップレベルの大学力の実現を目指して取り組んでまいります。

 法科大学院については、現在政府において法曹養成制度全体の在り方について検討を進める中で、その見直しについても検討しており、その結論を踏まえ、法科大学院教育の一層の充実に努めてまいります。

 TPPについてお尋ねがありました。

 TPPについては、アジア太平洋地域における高い水準の自由化を目標とし、市場アクセスのみならず、様々な非関税分野のルール作りを含む包括的な経済連携協定として交渉されているものと承知しています。

 他方、先進国、途上国を含む複雑な利害が錯綜する多数国間交渉において、ご指摘のように、米国が自国に都合のよいルールを押し付けることが容易にできるとは考えられません。

 いずれにせよ、TPP交渉に参加するかどうかということについては、党内や米国との協議も踏まえ、私が最終的に判断を致します。

 日本郵政株式売却についてのお尋ねがありました。

 現在、日本郵政が平成27年秋までを目途として、株式上場に向けた体制を整備中であり、政府としては同社の体制整備がなされた後に、決算や株式市況等を総合勘案して売却の具体的なタイミングを決定することとしております。

 新規事業については法令に則り適切に審査が行われているところでありますが、いずれにせよその株式価値を高める為、まずは日本郵政が一層魅力ある企業となるよう努力することを期待しております。

 消費税率の引き上げについてのお尋ねがありました。

 消費税率の引き上げについては、法律で来年4月に引き上げることが決まっておりますが、機械的に何が何でも引き上げるということではなく、一体改革の目的に沿って税収を確保できることが重要と考えています。例えば強いデフレが続いて、消費税率を引き上げても、逆に減収になるようでは意味がありません。

 本年秋に附則第十八条に則って、経済状況等を総合的に勘案して判断をしていくこととなります。その際、様々な経済指標を確認する中で、賃金など雇用情勢も見てまいります。

 なおインボイス制度は、与党税制改正大綱において、軽減税率導入に当たっての様々な課題の一つとされており、与党におけるご議論も踏まえつつ、検討を行っていく必要があります。

 いずれにしても3本の矢で長引くデフレから脱却し、日本経済を全力を挙げて再生してまいります。

 失われた20年の総括と私の経済政策についてお尋ねがありました。

 我が国はバブル崩壊以来、長年にわたるデフレの中で、莫大な国民の所得と産業の競争力が失われ、頑張る人が報われるという社会の信頼の基盤も揺るがされています。この間の累次の経済対策は、一定の景気下支え効果はあったと考えていますが、デフレを脱却することはできませんでした。

 こうした教訓を踏まえれば、従来の延長線上にある対応では経済を再生することはできません。この為、私の内閣ではこれまでとは次元の違う政策パッケージとして、3本の矢を一体的に進めているところであります。こうした取り組みによりデフレを脱却し、地方経済を含め、経済再生を実現させてまいります。

 保守の考え方についてお尋ねがありました。

 保守とは生まれ育った国に自信を持ち、今までの長い歴史をその時代に生きた人の視点で見つめ直そうとする姿勢であると私は考えています。日本には自立自助を基本に、何かあれば支え合うという社会があります。息を呑むほど美しい棚田の風景、伝統ある文化を大切にしていかねばなりません。

 ただこうした伝統も文化も、頑なに守ろうとするだけでは次世代に引き継げる保証はありません。守るべきものはしっかりと守りながら、変えるべきは変えていく勇気も必要であります。

 みどりの風の皆様には、是非ともご協力をいただきながら、日本が誇る伝統や文化を共に発展させていきたいと考えております。

 憲法及び守るものについてのお尋ねがありました。

 自由民主党は立党以来、憲法改正を主張しており、昨年4月には憲法改正草案を発表し、党として21世紀にふさわしいあるべき憲法の姿を示しています。新しい時代にふさわしい憲法の在り方については、国民的な議論が深まることを強く期待しております。

 また私が総理大臣として取り戻し、そして守っていきたいものは先の施政方針演説で申し上げた通り、頑張る人が報われる真っ当な社会であり、国民一人一人が将来への夢と希望、ふるさと日本への誇りと自信を抱くことができる強い日本であります。

 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。

田村憲久厚生労働大臣
 亀井亜紀子議員から2問、ご質問をいただきました。

 まず1問目でありますが、正社員と非正規労働者の中間に位置する准正規労働者の創出についてのお尋ねがございました。

 厚生労働省と致しましては、准正規労働者という言葉は使ったことはございません。その上で非正規雇用の問題については、正規雇用を希望する非正規雇用労働者の正規雇用化を進めるとともに、非正規雇用労働者が安心して働けるよう、正規雇用との格差の是正を図ることが重要であると考えております。その際に典型的な正社員だけではなく、多様な働き方が選べる環境整備を進めることが必要でありまして、この為に企業内でのキャリアアップの支援、今回の25年度本予算でも要求を致しておりますけれども、キャリアアップ助成金などを利用致しながら、頑張った人が報われる社会の実現に向けて全力を尽くしてまいる所存でございます。

 それともう1問、医療に係る消費税の対応についてのお尋ねがございました。

 社会保険診療は国民に必要な医療を提供するという高度の公共性を有することから、消費税は非課税とされております。この為、消費税導入と引き上げが行われた平成元年と平成9年でございますけれども、診療報酬改定を行い、仕入れに要した消費税負担部分を措置し、医療機関の負担が生じないよう対応してきましたが、特に高額な投資を行っている個々の医療機関にとっては、負担感があるといったご意見がございます。

 従って消費税の8%への引き上げに向けた対応については、医療機関等における高額の投資に係る消費税負担に関する措置や、診療報酬における対応を検討する為、中央社会保険医療協議会の下に分科会を設け、具体的な検討を進めているところでございます。

 また医療に係る消費税の在り方についても、税制抜本改革法等を踏まえ、検討をしてまいりたいと存じます。

麻生太郎財務大臣
 平成21年度税制改正附則第百四条についてのお尋ねがあっております。

 附則百四条の経済状況の好転に関しましては、一般的には景気が悪化しているという状況から持ち直して改善してきつつあるという状態を指すが、最終的には数字も大事だが、経済の実態など色々考えた上で判断する、これが当時、国
会で私が答弁を致した内容だと存じます。

 なお今般の消費税率の引き上げにつきましては、昨年8月に成立をしております税制抜本改革法の附則第十八条に則って、本年秋には様々な経済指標を含め、経済状況などを総合的に勘案し、判断をしていくこととなりますというように定められております。

 いずれに致しましても3本の矢で長引くデフレ不況から脱却を図り、日本経済の再生に全力を挙げていくというのが一番肝心なことになろうかと存じます。

 次に金融円滑化法の再々延長を行わない理由についてのお尋ねもあっております。

 円滑化法は本年3月までに期限が到来を致します。金融機関による貸付条件の変更などの実行率は9割を既に超えておりますなど、その取り組みはほぼ定着してきておると存じます。一方、条件変更を繰り返して行っている借り手が、最近では8割に上ってきておるのも確かです。また貸付条件の変更などを受けたものの、経営改善計画が策定できていない借り手が増加してきておるという傾向にもあります。この為、同法の再々延長というものを考えておらず、むしろ中小企業、零細企業の真の経営改善を図ることが喫緊の課題と認識をしております。

 政府としては、経営改善計画の策定支援など、個々の債務者の状況に応じたきめ細かな支援を行うよう、様々な施策を推進することと致しております。また副大臣以下、金融庁幹部を派遣し、全都道府県で説明会を開催させ、その周知に努めるなど、中小企業に対する支援に全力を今後とも尽くしてまいる所存であります。

平田健二参議院議長
 これにて質疑は終了致しました。

 本日はこれにて散会致します。

二院制

☆議事録☆
小坂憲次憲法審査会長
 次に亀井亜紀子君。

亀井亜紀子参議院議員
 みどりの風を代表して意見を述べさせていただきます。

 まずみどりの風は、今は衆議院を加えての政党ですけれども、もともと参議院の会派として4人でスタートしております。その趣旨は、やはり二院制を是とした上で参議院を改革をしていくべきである。以前緑風会という無所属のグループがあって、もっと緩やかな党議拘束のない無所属の議員が活動していたという時代を振り返りまして、本来参議院とはそういう姿であるべきではないか
と。そこで緑風会から名前を取りまして、みどりの風という政党名に致しました。

 ですので今ねじれ国会で、決められない国会といって批判をされており、その批判の対象が参議院に来るのでありますけれども、ねじれ国会が悪いのではない、ねじれ国会になったというのは国民の選挙の時の意思としてねじれているわけですから、そのねじれ国会の中で意見の形成、合意形成をしていくことができない事実が問題なのであって、衆参の構成が与野党が違うということ自体が悪ではないというふうに思っております。

 現在、参議院が衆議院と同じように政党化されて、その政党の人数をもってすべてが決まっていくということが問題なのですから、本来党議拘束をすべきではないと思います。いきなり党議拘束をすべてについて外すというのはなかなか難しいかもしれませんが、例えば私のこの任期の間でも臓器移植法の改正などがございました。これは生命倫理に関することは個人の信条であるので党議
拘束は外すということで採決が行われました。このように、ある範囲については党議拘束を外すということから始めてはいかがかと思います。

 また条約の批准の在り方について、私は問題があると思っております。これはみどりの風の中でもよく論じられていることなんですけれども、今まで多くの条約を批准をしてまいりましたが、条約については政府の専権事項であって、中身がわかりません。つまり採決の時に数行でこのような条約であるという要約がございますけれども、なかなかその中身まで勉強する時間がないと思います。

 参議院は6年の任期があって解散がないわけですから、本来長期的な視野で対応すべきこと、外交であるとか環境問題であるとか、そういった分野を取り扱うのに非常に適した院だと思います。

 ですので今、例えばTPPのことが大変議論されており、与党の中でも意見が割れているようですけれども、これを政府の専権事項だといって突っ込んでいって、各国と交渉をして、はい立法府にかけますという時に、もう自動的に党議拘束がかかって賛成をしなければならないということですと、立法府がそのチェック機能を果たさないことになります。これはそもそも議院内閣制に反する構造ではないかと思いまして、やはり内閣が立法府、国会を支配する立場ではないので、政府が政党を支配するものでもない。つまり与党内の合意形成がされていないのに政府が突っ込んでいって、更に海外と約束をしてくるというのは大変私は危険だと思っております。

 ですので参議院の方は、例えばTPPならTPPというトピックで、この条約について与野党を超えて勉強をし、党議拘束を外して良識を生かして採決に臨んでいくというような、そういう条約についてのチェック機能を持たせたらいかがかと思っております。

 後は両院協議会について、他の先生からもご指摘ございましたが、代表者の構成について、もう少し決定権を持った各党の代表、法案作成に関わった議員の参加などを工夫して合意形成を図るべきかと思います。

 以上です。

日本銀行総裁の任命同意に関する件

☆議事録☆
岩城光英議院運営委員長
 次に亀井君に発言を許します。亀井亜紀子さん。

亀井亜紀子参議院議員
 みどりの風の亀井亜紀子でございます。

 本日は、重要な人事に関し、みどりの風にも発言の機会をいただきましてありがとうございます。お礼を申し上げます。

 今回の日銀の人事に関してですけれども、日銀の独立性という観点から見ますと、政府のやり方に私は問題があったと思います。日銀法の改正もちらつかせながら協力を求めたという、そういう局面にあって、その改正には至らないように共同声明で落ち着いたというのは、ある意味妥協点である、妥当なところだろうと思っております。

 それで今までも皆様の質問にありましたけれども、どこまで政府と歩調を合わせて、仮に賃金が上がっていかないにしても、雇用に悪影響が及んだとしても、その共同声明にある通り2%のインフレターゲットを強力に推し進めていくのかという、そこが一番の懸念であろうと思います。

 先程からFRBのみは物価の安定と雇用の安定を求められているけれども、その他の中央銀行は物価の安定だけが責務であると。ですのでその物価の安定というのはこの共同声明の後、イコールインフレ2%ということであって、短期的にというかだいたい2年くらいで目標を達成したいということを前おっしゃっていたので、その2年くらいのスパンで2%をまず実現していくと、そのようなご見解であると理解してよろしいですか。

黒田東彦参考人
 日本銀行が政策委員会で決定した事項、その前に共同声明でコミットした事項というのは、2%の物価安定目標を設定し、それをできるだけ早期に実現するということでありまして、各国の中央銀行の例を見ますと、だいたいその目標に近づける期間というのは2年程度を目途にしているところが多いようでございますので、やはりいつまでも実現できないということでは物価安定目標を設定した意味がありませんので2%、この実現のタイムスパンとしては2年程度というのは適当だと思いますけれども、何よりもコミットしてやらなければならないのは、2%の物価安定目標の実現、早期の実現、できるだけ早期の実現であるというふうに思っております。

 なおそういう過程で基本的に賃金や物価も改善していくと思います。というのはこの15年のデフレの中で賃金も物価もよくなかったわけでして、それを克服する為に2%の物価安定目標を決め、それをできるだけ早期に実現するということにしたわけですので、当然中期的に賃金や雇用も改善していくというふうに思っております。

亀井亜紀子参議院議員
 では共同声明にある文言というのはあくまでも「できるだけ早期に」ですから、よるところはできるだけ早期にということであって、その一つの目安として欧米諸国ではだいたい2年ぐらいをスパンとしていますと、そういうふうに私は、じゃ理解致します。

 それで2012年の2月の14日に日銀は、事実上インフレを目標とした、そういう宣言をしたと思うんですね。この時は「中長期的な物価安定の目途」というのを発表しまして、消費者物価指数、前年比上昇率で2%以下のプラスの領域、当面1%を目途とするという表現をしています。これはつまり、この時点で2%程度のインフレが望ましいとしながらも、なかなかその達成は難しいので当面1%を目途とするということで、その1%の方を強く出したというだけだろうと思います。

 安倍総理の2%のインフレターゲットというのはこの時の2%に含まれていると思うので、今のメッセージの出し方というのはあくまでも2%、2%と言われていますけれども、できるだけ早期にということで、当面1%とは対外的に言わないにしても、そういう方向はあり得るのかしらと思っているのですが、お伺いを致します。

 そして加えて、欧米の場合は小さいものを大きく見せる、一のものを十に見せる能力が長けているんだと思います。つまり例えば無制限緩和といっても無条件緩和ではない。なので無制限緩和であっても、その制限の有無は金融政策の規模と直接的な関係はない。ただ無制限緩和ですよと言うことによって大きく見せている、それによって市場が反応するということですから、この技術において日銀は伝統的に弱いのかしらと思っているんですが、これを踏まえてどのようにそのメッセージを出されますか、よろしくお願いします。

黒田東彦参考人
 2%以下、当面は1%を目途にするということ自体は、それ以前はプラスということを言っていただけなわけですから、それに比べると前進だったと思いますけれども、やはり2%の物価安定目標を設定して、それをできるだけ早期に実現すると。英語でインフレーションターゲットと、あるいはプライス・スタビリティー・ターゲットという、ターゲットという言葉をはっきりと日本銀行自体が今回使ったわけでして、そこには明らかに前の弱いコミットメントに比べるとはっきりしたコミットメントがあったというふうに思っておりますので、私自身も2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するということに尽きると思いますし、できるだけ早くというのがどのくらいかと言われると、諸外国の例を見れば2年ぐらいを目途にしているので、それが一つの目途になるでしょうということを申し上げているわけでございます。

 それからもう一つの市場の期待とか、それからプレゼンテーションという点ですが、これは期待に働きかけることが重要なことは事実なんですが、それは期待というのは実現しないと失望に変わり、マーケットは逆に反応するわけですね。ですから期待に働きかけるということは重要であり、私もそういう点を所信で申し上げましたけれども、それは早くその影響が出てくるという意味では重要なんですけれども、そのことはそれに即してきちっとしたことを実施する、実行するということとペアになっているわけでして、欧米の場合もそこは言ったことはやはりちゃんと実行しているわけですね。

 だからそこは私は、何か小さなものを大きく見せているということではなくて、適切に市場とコミュニケートして、それに沿ってきちっと実行していると、その結果、また新しい政策を市場に発表すると効果がすぐに出てくると、そういういい循環になっていると思いますので、日本銀行としてもそういういい循環になるような努力が必要であろうというふうに思っております。

亀井亜紀子参議院議員
 私が申し上げたかったのは、日銀の独立性という観点から、2%と言っておいて、でも文言はできるだけ早期になわけですから、市場の動向を見ながら調整していくということはやっていいんじゃないでしょうかという意味で申し上げました。

 時間ですかね。

岩城光英議院運営委員長
 15分です。

亀井亜紀子参議院議員
 最後一つだけ、資金調達のやり方なんですけれども、日銀が為替介入をする時に、1999年の9月までは日銀資金を使っていましたけれども、今入札方式で市中銀行に買わせる形を取っていますが、これをやるとその市中銀行の資金が外貨に積み上がって凍り付いてしまうので、本来日銀がやはり資金を使う、それによって金融緩和をしたらいいんじゃないかと思っているんですけれども、どのようにお考えですか。

黒田東彦参考人
 この点は、いわゆる為替介入について不胎化するかどうかということと関連しているわけですね。

 おっしゃるように、前は政府が介入する時には外為証券を発行するんですが、それは短期のものであるし特定の目的であるということで、日銀が引き受けて、その資金で政府が介入するということをやっていたんですが、ルールが変わりまして、今は政府が介入する時は、外為証券を市場に発行して、それで得た円で介入する、こういう形になっているわけです。それはおっしゃる通りで、ですからそれだけ見ますと、かつては介入は不胎化されていなかったと、非不胎化介入、ですから純粋の介入と言わば金融とがリンクしていたわけですが、今はそうでなくて、介入は純粋の介入で、資金は円の流動性は変化しないという形になっているわけですね。

 ただこれはそこだけ取るとそうなんですが、それではかつて日銀が外為証券を引き受けた時に不胎化していなかったかどうかというのは、その時にそれに合わせて流動性を調整すればやはり不胎化しちゃうわけですね。逆に言うと、今のシステムでも日銀が、政府が外貨介入をした時に、それと合わせてその分、相当するだけ金融を緩和すれば、流動性を供給すれば、これは不胎化介入ではない、いわゆる非不胎化介入になるわけでして、ご指摘のシステムの変化はその通りなんですけれども、それがその介入が不胎化されていたかされていなかったかということとは必ずしもリンクしていないので、介入が政府によって行われた時に、日銀としてどのような流動性供給で対応するかしないかということは、それ自体として検討されるべきことであると思いますし、そのシステムが変化したのがよかったかどうかという議論もあるとは思いますけれども、現行の制度の下ではそういうふうになっておって、それを踏まえて日銀としてどのように対応するかということだと思います。

亀井亜紀子参議院議員
 終わります。ありがとうございました。

国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査「世界の水問題と日本の対外戦略」(アフリカ及び中東の水問題への取組の課題) ○独立行政法人国際協力機構地球環境部長不破雅実参考人

☆議事録☆
藤原正司国際・地球環境・食糧問題に関する調査会長
 亀井さん、お願いします。

 3人に質問せないかぬと思い込む必要はありませんから。いや、皆さんそうですよ。

亀井亜紀子委員
 先程の有村先生の質問で私も同じようなことを思いましたので、関連質問で不破参考人にお伺いしたいと思います。

 以前、ワンガリ・マータイさんといって、ノーベル平和賞を受賞された女性、もうお亡くなりになりましたけれども、確か彼女が主張していたように記憶しているんですが、アフリカの問題というのはいわゆる旱魃と、今砂漠化で旱魃が進んでいるということと、あと遊牧民の問題もあるんだと。つまり村に定住する部族と、後何年間か遊牧をして伝統的にサイクルで動く部族がいて、この遊牧民の動ける範囲がその環境の変化、旱魃によってなくなってきたと。その土地の取り合いがいわゆるスーダンであったり、内戦のもとなのだというような話を私は聞いたことがあります。それがまた植林につながっていったということなんですけれども。

 今アフリカで伝統的に遊牧をする、そういう部族というのはどのぐらいの割合なんでしょうか。つまり定着型の部族対遊牧型と言いましょうか、定住している部族のところに井戸を掘れば、それはそこにずっと安定して住むんでしょうけれども、生活スタイルがいわゆる国境を渡っていく人達の場合はまた対応が違うんだろうと思うのですが、その辺、もし御存知でしたらお教えいただけますか。

不破雅実参考人
 これは私が知る範囲でということになりますけれども、私は中東におりましたので、例えばベドウィンの方々の場合ですと、そういう井戸、オアシスの中の水源をある程度管理といいますか、所有といいますか、しながら移動していくというようなことをやってきていると。何といいますか、その権利といいますか、それは部族ごとにかなり重要なものになっているということで、その井戸を押さえているということが権限そのものみたいな、そういう話だという
のは聞いたことがございます。

 そういう土地に新たな水源を造っていくというような仕事というのはあまりしたことはないのですけれども基本的に移動していく人口を、ある規模でそういうふうに水を使っていかれているわけですから、それというのは十分サステーナブルな分しか、つまりそんなに大量に水を取ったりなんかしない、伝統的にやってきているということだと思うんですけれども。

 今の問題というのは、そういう方々が遊牧をするだけの資源が、例えば気候変動なのか砂漠化なのかわかりませんけれども、できなくて、家畜が食べる草とかもなくなってきてしまって、その結果、遊牧をする生産手段をなくしてしまって都市にスラムとして流れ込んでくるというような、そういう変化があるんじゃないかということだと思います。それによってアフリカの都市人口というのがものすごく伸びてきていて、そういう二次的な変化による影響にどうやって対処しなきゃいかぬかという問題に問題が変化してきているようなところがあると思っています。

 伝統的な遊牧で成り立っているところは、恐らく水の量と水を使う分というのは多分バランスしているような状態というのがあるんだろうと思うんですけれども、そこを崩すような条件というのが起こってきているというのがたぶん非常に厳しい問題としてあるんじゃないかというふうに思っております。

政府開発援助等に関する調査(参考人質疑 ○一般財団法人国際開発機構理事長 杉下恒夫君 ○独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 国際交流・研修室長兼開発スクール事務局長・教授 山形辰史君)

亀井亜紀子委員
 みどりの風の亀井亜紀子でございます。

 まずはじめに杉下参考人にお伺いしたいと思います。グローバル人材の育成についてでございます。

 実は私は20代の頃にFASIDに数ヶ月勤めたことがございます。国際会議の事務局におりまして、翻訳などを担当致しておりました。当時のFASIDは国際開発機構ではなくて、確か高等教育という言葉が入っていたと思います。FASIDのASはアドバンスト・スタディーズだと記憶をしております。当時から日本の大学では国際開発に関わる高等教育のカリキュラムがない、だから大学院でそのようなカリキュラムを作って人材育成すべきであると、そのような活動をされていたと思います。現在もそのようなことを仕事の一部とされているのかと思いますけれども。

 私も思いますに、このODAの予算が減ってくる中で、いわゆる日本の人材が現場の前線に見えることが大事なんだろうと思います。つまり海外青年協力隊が2年、3年行くということも大事ですけれども、その上のレベルの人間、国際のプロジェクトでコーディネートができる人達、お金が他国から出ていても、あるいは国際機関から出ていても。つまり日本としてはあまりお金がかからない、けれども現場においてその要となる人材が、コーディネーターが日本人であるということだけで、その国の人にとっては、あの日本人に助けられたという印象がかなり広まるわけですから、そこの要に来る人材を育てることが大事
だと思うんですけれども、今日本に何が欠けているのでしょうか。またこのポジションに上がっていくにはどうしても、教育も海外で受ける人もちろん多いですし、英語を堪能に使う為には海外での生活がどうしても長くなるので、なかなか日本からキャリアをスタートできないということがあるんですけれども、その問題ですとか、この人材が日本に帰ってきて将来できることがあるのかどうかということも伺いたいと思います。

 まず杉下参考人にお伺い致します。

杉下恒夫参考人
 亀井先生の方が私よりもFASIDのことはお詳しいんじゃないかと思うんですが、おっしゃる通りだと思います。で、何が足らないかというと、やはり今おっしゃる通り、プロジェクトのコーディネーターとかマネジメントができる、国際組織の中でのマネジメントまでできる人、それがなかなか今、日本に欠けているんじゃないか。つまりそういう教育が行われていないということですね。英語まで勉強する、いろんな知識は勉強するけど、その上のマネジメントまでできる人、そういう人が日本の場合、まだなかなかそういう教育機関がない。

 ですから今もし先生のご質問に対するお答えとして私が考えるのは、つまり社会人の再教育とか、これは非常に重要なんですね。要するにビジネスをやった方をもう一回国際社会の中で使えるような、これはもともと素養がありますから、単なる語学力とか、それからそういった国際社会の慣習みたいなものを身にさえ付けてもらえれば、この人達は即戦力になると思いますね。だからこういう社会人の再教育。それから海外や留学から帰ってきた人達、これはなかなか今、ポスドクみたいなところがございまして、なかなか仕事がない人がいますね。こういう人達をもう1回再教育することによって日本の戦力となる。もう1回再教育、このままじゃ使えない人も多いと思う。こういう人達の再教育。

 ですから私は、我々の組織がこれからやりたいと思うのは、そういう再教育をやって、もう1回ワンランク上の人間をつくっていく。そして初めて先生がおっしゃるような仕事に就ける人間ができるんじゃないかなと思っています。

亀井亜紀子委員
 ありがとうございます。

 今の質問は、この委員会でも取り組んでいることですが、青年海外協力隊の希望者が少ないというのは、戻ってきた時に就職に有利にならないので希望者が少ないのではないかというような視点がございまして、やはりその人材の活用ということを視点に置いております。その中でもっと高いレベルの人材が日本に戻ってきた時に、どういうふうに社会に入っていったらいいのかということを考えておりました。

 山形参考人にもお伺いしたいんですけれども、これは今度、協力の仕方、二国間と、また国際機関に対する援助との比率の問題なんですけれども、やはり予算がふんだんにありませんので、今までのように二国間でばらまきというのは難しいので、先に入っている国と協力をする協調した援助という方向に行くことで、多少は日本の援助の額というのは減らすことができるんでしょうし、その分を国際機関に振り分けていくというような、そのようなことを提唱していらっしゃるんでしょうか。

 そしてもう一つは、二国間の援助について、なかなか今までの関係は切れないわけですけれども、先に援助をしている国があるところに協力して入っていくことが正しいのか、また、あまり、例えば中国ですとか、他の国が入っていないところに進んで入っていって、そこは日本の影響を強めようと考えるのか、色々な視点がございますが、どのような組み合わせがよろしいでしょうか。

山形辰史参考人
 ご質問ありがとうございます。

 非常に難しい質問なんですが、一つ例を申し上げますと、国連ですとか世界銀行に出しております人間の安全保障基金というものがございまして、これはマルチで出しているわけですが、国連機関、世界銀行の方にかなり高く評価されているような、そういうお話を伺うことがあります。日本がマルチのドナーに対して出すことによって、二国間で出す時よりも色は薄まるわけですけれども、それでも強い効果を持ち得る例かなというふうに思います。

 それで新しい国、新しい国といいますか、日本が今まで支援していない国に入っていく時にどうするかというご質問だったかと思いますが、これは撤退、卒業する、させるということと裏腹の話かと思います。一つあり得るのは中米のケースですけれども、ニカラグアを含む数ヶ国に対して算数の教科書を、数ヶ国に共通の算数の教科書を作って支援するというようなものがありまして、これは受け手側が複数になっている例なんです。

 新しい支援をしていくという時に、二国間でやるのが難しいという時に、先方の地域共同体等を活用して支援するという手もあるかなというふうに今ちょっと考えた次第ですが。

亀井亜紀子委員
 時間が迫っておりますので一言だけお伺いしたいんですが、日本の特徴、強みというのは何でしょうか。つまり北欧は人権ですとかありますけれども、客観的に見て日本というのはどのように見えているのでしょうか。それをお二方に、もし一言ございましたらお願い致します。

杉下恒夫参考人
 一言で言うと、私は長年見ていて、やはり日本の場合は粘り強さというか、忍耐、我慢強さだと思います。

山形辰史参考人
 私、バングラデシュで2000年代に見てきて感じたことですけど、一言で言いますと雑巾がけ。

 と言いますのは、今のその粘り強さに近いかと思うんですけれども、これはバングラデシュの協調ですね、4ドナー、DFID、日本、世銀、ADBといったような協調がありました時に、日本側は参事官レベルの方が担当しておられて、他は大使レベルの方が出ておられたんですけど、その参事官の方が本当に汚れ仕事全部やりますというような感じで援助協調の中で役割を果たしておられて、これ日本は得意かなというふうに思ったことがございます。

亀井亜紀子委員
 ありがとうございました。