みんなの党に続いて、維新の党にも分裂騒動が勃発しました。今回の一件を見ていて、国民新党が崩壊した当時のことを思い出したので、そういう視点でコメントしたいと思います。

 まず橋下徹さんを好きか嫌いかは別として、維新の党は橋下さんの下に人が集まった「橋下党」でした。だから「看板」である橋下さんが離党するような状況になったのはやっぱりおかしいと思います。国民新党も創設者で代表だった亀井静香さんを後から入党した議員達が勝手に解任したことが原因で、亀井静香さんと政党発足時から関わっていた私が離党しました。そうなった原因も民主党との連立を解消するかしないかという路線対立だったので、今回の一件はいつか見た光景…「デジャブ」とはこのことだと思っています。当時何が起きていたのかということについては(国民新党で起きたこと国民新党で起きたこと)をご覧ください。

 一方、橋下さんについてですが、ついこの前、住民投票に敗れて政界引退を潔く表明したばかりなのに、再び「大阪都構想」を掲げて国政政党を立ち上げることに、私は大きな違和感があります。ずいぶんコロコロ変わるんだなあ…。それに何の為の住民投票だったのかなとも思います。この辺りについて、橋下さんはきちんと説明した方がいいでしょう。まあ住民投票の時点では自分が立ち上げた政党が乗っ取られる(実質的に名前も政党助成金も取られた状態なので)とは想像もしなかったでしょうから、そういう悔しさはあるでしょう。自分に付いてきた議員の将来に責任を感じているのかもしれません。

 新党名について「おおさか維新の会」の可能性が報道されていますが、政党を立ち上げた経験から申し上げると、「維新の党」がある限り、「維新」という言葉は使えないはずです。過去に似たような名前があると総務省から却下されるので、政党名というのはなかなか難しいのです。今回の分裂にあたり、「維新」の名前をどちらが使うか、政党助成金をどう分けるか、ということが焦点になります。

 政党助成金は所属議員の人数に応じて支払われる分と、直近の選挙で得た得票率による分があります。つまり、もし橋下さんが抜けた維新の党がそのまま存続した場合、橋下さんが好きで政党名を「維新」と書いた人達の票数に応じた政党助成金は、橋下さんが新しい政党を立ち上げた後も、数回先の選挙まで「維新の党」に残った人達が総取りし続けることになります。それでは橋下さんも支持者も不本意でしょうから、ここは注視する必要があります。国民新党の場合も、政党の「乗っ取り」が起きた大きな要因は、政党助成金を欲しかったということのようなので(そうでなければ、不満に思う人達が離党して新党を立ち上げれば済む話なのです)、今回も理屈は同じです。ですから今後、橋下さんに追随する議員が離党して参加するのか、それとも維新の党を分党するのか、というのはかなり大きな問題なのです。

 分党にする為には、橋本さんに付いていく議員が維新の党に残っている間に、維新の党の松野さんや柿沢さん等、党幹部と交渉しなければなりません。そういう交渉があるので、橋下さんの離党に従ってすぐに離党というわけにはいかないのではないかと思います。分党ではなく、離党して新党を立ち上げる場合は、例えば10人離党したとして、その10人分の政党助成金も12月20日頃、維新の党に支払われることになります。今年1月1日時点での所属議員数に応じて支払われるので、人数が減っても年内は関係ないのです。現行法はそういう仕組みになっています。

 ドロドロした話ですが、そういう視点で今回の一件を見る必要があります。国民の監視の目を光らせること、誰がどういう行動を取っているのか、お金の流れを含めてよくチェックし、次回の選挙で判断していただきたいと思います。