2011年5月18日(水)第177回通常国会 「参議院憲法審査会規定案」賛成討論
 参議院憲法審査会規程案について、国民新党を代表し、賛成の立場から討論致します。

 国民新党は日本の伝統、文化に誇りを持ち、独立国家として自主憲法を制定することを公約としています。もちろん現行憲法が果たしてきた役割、すなわち日本に民主主義を根付かせ、再び戦争に巻き込まれることなく、経済発展を遂げる土台をつくったことは疑う余地がありません。戦争に突入した反省に基づき、政府の権限を制限して個人の権利を拡大した憲法の下で国民は自由主義を謳歌してきました。

 けれども東日本大震災、原発事故という国難に見舞われた今、公と私の折り合いをどう付けるべきかが改めて問われています。非常事態を想定していない憲法の欠陥が露呈した以上、自然災害や安全保障上の有事に対応すべく、非常事態規定の創設について議論を始めることは立法府としての責務であると考えます。

 そもそも日本の土地の私有権が、諸外国と比べて強すぎることはしばしば指摘されてきました。尖閣諸島が私有地であること、離島や水源林が外国資本に買収される問題について、地方自治体や住民の危機意識は高まっています。土地の所有権と利用権、居住権について、公の視点に立った議論は平時においても急ぐ必要があります。

 また国民新党は二院制のあり方を見直し、両院の機能を憲法上明確に規定することを主張しています。これは結党の経緯にまで遡ります。ご存知の通り、国民新党は郵政解散を機に結成されました。参議院で否決された法案を衆議院に戻さず、両院協議会も開かずに総理が衆議院を解散したことは憲法違反であるという主張を私達は変えておりません。

 衆議院議長を務めた綿貫民輔先生が政党を結成してまで戦った最大の理由は、議会制民主主義の崩壊に警鐘を鳴らす為でした。あの時、参議院は存在意義を否定されました。そして総選挙後、参議院が選挙結果を追認したことで、今度は自ら存在意義を否定してしまったのです。本来、衆議院の解散に脅かされずに見識を示すべき参議院が、毅然として政府に立ち向かえなかったことは、現在の参議院不要論を招く要因になりました。その声は、ねじれ国会と東日本大震災という想定外の政治状況でいよいよ高まりつつあります。想定外が重なること自体、憲法が改正を必要としている表れでしょう。

 また一票の格差について、最高裁は衆議院も参議院も違憲状態であるという判決を下しました。これを受けて、衆参とも選挙制度改革の論議が始まっています。けれども両院の役割分担を規定することなく酷似した選挙制度をつくることは、政治の安定につながりません。選挙制度は本来、憲法改正の観点から議論されるべきだと思います。

 さて、両院協議会は単なる形式ではなく調整機能です。政権交代直前に開催された両院協議会に私は出席しましたが、その席で民主党は両院の合意形成に向けた議論を呼びかけました。政権交代が実現しない場合に発生するねじれ国会を念頭に与党・自民党に提案したのですが、まさか与党になった民主党がねじれ国会に苦しむことになろうとは、当時想像も付きませんでした。憲法改正まで時間を要することを考えれば、今からでも議論すべきだと思います。

 国難の今、問題は山積しています。憲法上位置付けられていない自衛隊が連日被災地で奮闘している姿に、立法府としての責任を感じます。非常事態に国民の命を守る自衛隊の活動に敬意を表し、原発事故が収束に向かうことを願い、賛成討論を終わります。