2011年3月6日(日)行政刷新会議「規制仕分け」評価結果シート2011年3月7日(月)行政刷新会議「規制仕分け」
 政府の行政刷新会議が国の規制・制度の見直しを行っています。3月6日(日)、7日(月)には「規制仕分け」が五反田のTOCビルで開催されました。国民新党は小泉政権時代に推し進められた新自由主義、構造改革路線に真っ向から反対している政党なので、規制緩和には非常に神経質です。実際、建築基準法の緩和と姉歯事件、米販売業者の緩和と事故米事件の因果関係はこれまでも指摘されてきました。菅政権はTPP参加、規制緩和、消費税増税を目指し、社会保障改革では小泉政権を支えた与謝野氏を中心に据えたので、政策的にも小泉政権に近付き、何の為に政権交代したのかわからなくなってきました。民主党の政策が180度変わることは、連立を組んでいる国民新党としてはやりにくいことこの上なく、現在は菅政権の新自由主義路線にブレーキをかける役割を果たしています。連立与党として仕分け人の枠があるので、事業仕分けに続いて今回も規制仕分けに参加しました。

 規制見直しの対象となっている項目は、2月28日(月)〜3月4日(金)まで東京で開催された「日米経済調和対話」において、米国が提出した要望書の内容と見事に重なっています。この「日米経済調和対話」は昨年11月の日米首脳会談で菅総理が米国に対して毎年開催すると約束したもので、今回の要望書は、1994年から2008年まで米国が毎年提出した「年次改革要望書」の復活版です。そもそも郵政民営化は米国が日本国民の資産300億円を狙って市場に取り込もうとしたこと、米国の医療保険の市場拡大を目指して政府系の簡易保険を潰そうとしたことが出発点で、言わば外圧によって始まりました。日本郵政株は株式売却凍結法案の成立によって、現在は市場流出を止めてあります。私は別に反米ではありませんが、どの国も国益を貪欲に追求するもので、それは国際協力の分野とはまた別の次元の話です。国会議員である以上、日本の国益には敏感でありたいと思います。

 今回の規制改革135項目は、あまり人目につかずに閣議決定された感があります。スケジュール面では3月中に全項目について閣議決定することになっていたので、震災の影響で当初予定の半分程度を閣議決定というのは唐突なことではないのですが、問題は民主党内で議論された形跡があまり見当たらないことです。政府が選んだ有識者の意見を優先し、政党内の活発な議論無く閣議決定される手法は、今後対立を生むことになるでしょう。

 各省庁との調整がついた135項目を閣議決定するとのことで、私も事前にチェックし、項目削除や文言修正を要求しました。項目削除については実現できず、仕方がないので文言修正でブレーキをかけました。「医療法人の再生支援・合併における諸規制の見直し」については、営利法人の医療参入や混合診療の解禁につながらないよう、「国民皆保険制度を守ることを前提として、以下を行う。」という文言を冒頭に差し入れました。「必要性について検討」という表現も省庁間調整の段階で入っているので、必要性がなければ行わないと読むことができます。駅ナカ保育所を設置する為の建築基準法緩和についても、震災後にやるべきことなのかどうかクレームをつけました。これは確認したところ、古い駅舎の中に保育所を作るのではなく、増築して渡り廊下で駅とつなぐことを許可してほしいということだったので同意しました。

 最後まで対立したのが中国人に対するビザの緩和です。昨年、団体旅行客だけでなく、個人観光客に対しもビザを発給するという緩和を始めたばかりで、今年6月に検証結果が報告される予定です。検証を待たずに数次査証(有効期間内に何度でも入国できる)の発給を決めることは拙速であり、外務省の見解は私と同じでしたが、蓮舫大臣に強いこだわりがあって、どうしても項目削除に応じませんでした。昨年の中国人ビザの緩和は不法就労や偽造ビザでの入国の問題が指摘されており、今年6月の検証を待つのが常識的であると私は思います。

 結局、閣議決定の文言から「緩和」という表現を削除することで合意しました。「見直し」であれば規制も緩和も含まれるので、今回緩和を決めたわけではありません。外務省とはこの点、確認済みです。不法就労者が増えることは人口構成を変え、外国人参政権の付与は政策決定者を変え、それは国の形が変わっていくことを意味するので、今後も政権内の動きに十分注意したいと思います。