2009年1月20日(火)「ラフレさいたま」視察(最上階展望レストラン)2009年1月20日(火)「ラフレさいたま」視察(多目的ホール)
 日本郵政株式会社が「かんぽの宿」70施設をオリックスへ一括譲渡することを決定した問題で、譲渡予定施設の一つである「ラフレさいたま」を視察してきました。

 「かんぽの宿」と聞くと地方に点在した赤字施設というイメージがあるかもしれませんが、「ラフレさいたま」はさいたま新都心の一角に位置する大変便利な立地で、すぐ近くに「さいたまスーパーアリーナ」があり、更に企業や商業施設の建設も予定されている再開発地域(数年後には新幹線も開業予定)です。館内には宿泊施設や多目的ホール、温泉を備えたスポーツクラブ、複数のレストランがあり、地元住民の方が気軽に利用している様子でした。「かんぽの宿」の一括売却額は109億円ですが、「ラフレさいたま」だけでも土地取得・建設費用を併せて300億円を投資した施設であることを考えれば、109億円は安すぎると率直に思います。

 実は「ラフレさいたま」は「かんぽの宿」ではなく、「簡易保険総合健康増進センター」として平成12年にオープンした施設です。今回のオリックスへの譲渡物件は「かんぽの宿」として報道されたのですが、実際には「ラフレさいたま」と首都圏の社宅数ヶ所が含まれており、この「おまけ」部分の資産価値が不当に低く評価された「叩き売り」と言わざるを得ません。

 「かんぽの宿」は簡易保険加入者から集めた資金で国が建設した公的宿泊施設であり、利益を生み出す為の施設ではありません。保険商品というのは保険加入者が長生きすればそれだけ利益を生み出す性質があり、加入者へのサービスとして健康増進センターや保養施設を備えることは、保険業界では利益と直結した一つの手段なのです。つまり仮に「かんぽの宿」の経営が赤字であっても、本業の保険契約と合わせて考えた場合、赤字とは勘定されないわけで、そもそもなぜ「かんぽの宿」を「かんぽ生命」から切り離して、わざわざ親会社の「日本郵政」の資産としたのか大いに疑問です。「赤字だから売却する。」という理由は4分社化という不自然な民営化の仕組みそのものに起因する問題であり、従業員の雇用を守る条件でオリックスに譲渡するという理由も、「ラフレさいたま」の正規職員数がたった5人(ほとんど業務委託した会社の従業員です)であることからも説得力を欠きます。

 埼玉県庁で副知事にも面会しましたが、売却について県に一言の相談もなかったそうです。県が推進する再開発地域に建設された公的施設という性格を考えれば、譲渡先について県と相談しながら地域活性化に役立てる方法を模索すべきであったと思います。

 今回の件は売却金額が適正であるか、入札の経緯、総合規制改革会議の議長を務めた宮内氏の会社に売却すること等々、不透明なことだらけです。オリックスについては村上ファンドとの関係等、過去にも色々と言われていますが、講談社刊の「『小泉規制改革』を利権にした男、宮内義彦」は一読の価値があると思います。