こんにちは。亀井亜紀子です。

 バンクーバーオリンピックの閉幕とともに3月…まだ余韻に浸っています。

 今回、カナダという国や長野オリンピックを懐かしく思い出したので、少し書きたくなりました。

 スノーボードハーフパイプ競技の国母和宏選手の服装が問題になりました。私は長野オリンピックの時、ハープパイプの担当通訳で、ちょうどこの競技がオリンピック種目に採用された最初の大会だったので、「さもありなん」と状況が理解できました。当時から新種目のカルチャーと従来のアマチュア競技の祭典としてのオリンピックは大きく違っていて、現場では様々な問題が生じていました。コツコツと地味に努力し、国を背負って戦う緊迫したアマチュア競技と、スポンサーに支えられてプロ競技として発展したスポーツでは雰囲気がまるで違うのです。ハーフパイプの場合、夏はサーファー、冬はボーダーというパターンの日本人選手が複数いて、文化としてはサーファーでした。競技の進行自体も司会者ではなくDJ、各選手はお気に入りの曲を持ち込み、その曲とともに滑ります。DJが選手と曲を紹介し、会場も選手もノリノリという感じで、初めて観た私はビックリしました。試合ではあるけれど、スポーツショーという印象で、観戦するのは楽しい競技だと思います。

 「スノーボードの世界では普通のファッション」であろう国母選手の服装問題の根っこは、長野の時と同じだと私は思いました。

 閉会式で使用した4本目の聖火台…開会式で故障していた聖火台ですが、「転んでもただで起きない」、「失敗をユーモアに変える」カナダ人のセンスが私は好きです。少々物事がうまくいかなくても、“That’s life!” (それが人生さ!)と明るく言ってのけるカナダ人の逞しさには学ぶべきものが多々ありました。開会式、閉会式ともに敬意を払って迎えられた先住民族の代表の姿に、彼らの地位が飛躍的に向上したことも感じました。カナダ人は隣国アメリカとは違うという意識を強く持った人々です。アメリカという強大国と付き合いながらアイデンティティーを模索し、社会保障制度や国際協力などに独自性を発揮するカナダに、日本は多くを学ぶことができると思います。